このバンドをプログレッシブ・ロックと言っていいのかわからない。もちろん、それは間違っていない。だけどなんていうか、もうちょっとアバンギャルドでヘヴィなバンド、音楽のスタイルは違うけれどベルベットアンダーグラウンドのような存在っていえばいいのか。
ピーター・ハミルのボーカルは低く囁くような声から強烈なシャウトまで鬼気迫る表現で聞くものを圧倒する。バンドはピーターの声のためにあるのではないかと思ってしまう。そのバンドの編成もユニークでピーターは時折アコギを引くだけでギタリストがいない。後にピーターはエレクトリックギターも弾くことになるのだが。
ピーターのボーカルと共にサックス、オルガン、ドラムスが凶暴に暴れ周るヘヴィな曲から牧歌的とも言える美しいバラッドもあり、静と動がバランスよく存在している。
ピーターの歌う歌は絶望的で内省的なものが多いが、その力強い歌声はそれを打ち破る高らかな宣言にも聞こえる。
このようなバンドなので、長続きはしないで71年に解散。と思いきや75年再結成。70年代末のパンクキッズもノックアウト。その後も解散、再結成を繰り返し現在でも続いているというのは素晴らしいことである。

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