Time After Time

ぼくの音楽の師匠、河上修さんの初プロデュース作品です。(オレの作る音楽とはだいぶ違いますが)最新型の「ジャズ・ボーカル幻の名盤」という感じです。クールで端正なのに、なんだか泣けてくる、不思議なアルバム。ジャズが好きな人はオープニングの「ミッシェル」で買ってしまいましょう。(小西康陽)タイトルからも察せられるように、ボーナス・トラックを含めた全部で11の収録曲は、今さらなんの説明も必要としないくらいのスタンダードナンバー揃い。ゆえに聴く側にとっては、お馴染みの曲が次々に繰り出される親しみ安い1枚と言えるが、演奏する側からすれば、そこが両刃の刃。誰もが知っている名曲であるぶん、扱い方も非常に難しい。けれどもStay"G"は、その点をサラリとクリア。ある曲ではオリジナル・バージョンの匂いを濃厚に残しつつ、またある曲ではガラリと趣向を変えて今のStay"G"バージョンとしての11曲を気負うことなく披露している。