木の上の軍隊

蓬莱竜太×栗山民也×藤原竜也の顔合わせで実現した、井上ひさしの"幻の作品"が遂にDVD化! 2010年4月に他界した日本を代表する劇作家、井上ひさし氏が亡くなる直前まで執筆しようとしていた作品『木の上の軍隊』。戦争時、沖縄県・伊江島で、戦争が終わったのを知らぬまま、2年もの間、ガジュマルの木の上で生活をした2人の日本兵の物語が描かれるはずであったが、井上ひさし氏の急逝により、この舞台はその初日を迎えることはなかった。本作品は、この実在のエピソードをもとに、才能溢れる若手作家の蓬莱竜太が新たな戯曲を書き下ろし、井上ひさし氏がもっとも信頼を寄せた栗山民也が演出を手掛けるオマージュ企画。 新兵を演じるのは、演劇界を常にリードし続ける俳優・藤原竜也。井上版『木の上の軍隊』にも主演する予定だった藤原竜也が、3年越しで同作品に挑むと同時に、同世代作家の書き下ろし作品に出演するのはこれが初めて。語る女を演じるのは、11年ぶりの舞台出演となる片平なぎさ。上官役を演じるのは、ドラマ『相棒』など、ドラマ・舞台などで活躍する山西惇。 ――沖縄・伊江島。米軍と激しい戦闘の末、壊滅的な状況に陥った日本軍。ベテラン兵士の上官 (山西惇)と伊江島出身の若い志願兵 (藤原竜也)は敵の激しい攻撃のなか、命からがら、ある森の中の大きなガジュマルの木の上に逃げ込んだ。枝が太く、葉が生い茂るそのガジュマルの木は絶好の隠れ場所だった。木の下に広がる仲間の死体、日に日に広がって行く遠くの敵軍陣地。連絡手段もないまま、援軍が来るまで耐え凌ごうと、2人は木の上で待ち続けた。やがて食料もつき、心労も重なった時、2人の意見は対立し始める・・・。