WARHEADS ON FOREHEADS

日本盤トラックリスト

DISC 1

  1. ラトルヘッド
  2. メカニックス
  3. キリング・イズ・マイ・ビジネス
  4. 殺しの呪文
  5. ウェイク・アップ・デッド
  6. 悪魔島
  7. グッド・モーニング/ブラック・フライデイ
  8. セット・ザ・ワールド・アファイア
  9. イン・マイ・ダーケスト・アワー
  10. ホリー・ウォーズ…ザ・パニッシュメント・デュー

DISC 2

  1. ハンガー 18
  2. トルネード・オブ・ソウルズ
  3. ラスト・イン・ピース…ポラリス
  4. ファイヴ・マジックス
  5. テイク・ノー・プリズナーズ
  6. スキン・オー・マイ・ティース
  7. アングリー・アゲイン
  8. 狂乱のシンフォニー
  9. スウェッティング・ブレッツ
  10. ア・トゥー・ル・モンド
  11. 終わりなき旅路
  12. 審判の日

DISC 3

  1. トラスト
  2. シーウルフ
  3. ワンダーラスト
  4. ドレッド・アンド・ザ・フュージティヴ・マインド
  5. ブラックメール・ザ・ユニヴァース
  6. ワシントン・イズ・ネクスト!
  7. ヘッド・クラッシャー
  8. パブリック・エナミー・ナンバー1
  9. キングメーカー
  10. ザ・スレット・イズ・リアル
  11. ポイゾナス・シャドウズ
  12. デス・フロム・ウィズイン
  13. ディストピア

選曲のバラつきも要チェック!メガデス 歴代作品

これまでにリリースされたオリジナル・アルバムはしめて15枚。『ウォーヘッズ・オン・フォーヘッズ 』にはこれらすべての作品(とEP)から選ばれた全35曲が収められていますが、選曲にはやはりバラつきがあります。そのあたりを踏まえると、大佐自身の評価も見えてくるかも?

KILLING IS MY BUSINESS...AND BUSINESS IS GOOD! (1985年)

「ラトルヘッド」「メカニックス」「キリング・イズ・マイ・ビジネス」収録

★デイヴ・ムステイン(ヴォーカル/ギター)、デイヴィッド・エレフソン(ベース)、クリス・ポーランド(ギター)、ガル・サミュエルソン(ドラムス)という布陣で制作された記念すべきデビュー・アルバム。えげつないやり方でメタリカを追い出されたムステインの激しい怒りと敵愾心がそのまま吐き出されたかの猛然たるサウンドにまず耳を奪われるが、高度な手腕で複雑に編まれた変幻自在の楽曲群には怜悧な知性も垣間見える。


PEACE SELLS...BUT WHO'S BUYING? (1986年)

「殺しの呪文」「ウェイク・アップ・デッド」「悪魔島」「グッド・モーニング/ブラック・フライデイ」収録

★インディの『コンバット』からメジャーの『キャピトル』へと移籍して発表された2ndアルバム。きちんと統制されていたとはいえ、怒りに駆られて荒れ狂う初期衝動をありのままに解き放っていたかの前作より格段に音楽性を洗練、鋭利なフックと過激な切り返しで殺傷力を高めまくった巧緻な作曲術、社会の欺瞞を皮肉たっぷりに抉る痛烈な作詞術など“インテレクチュアル(=理知的)・スラッシュ”の方法論がここで確立された。


SO FAR, SO GOOD...SO WHAT! (1988年)

「セット・ザ・ワールド・アファイア」「イン・マイ・ダーケスト・アワー」収録

★ドラッグ漬けで手に負えなくなっていたクリスとガルを相次いで解雇、新たにジェフ・ヤング(ギター)とチャック・ビーラー(ドラムス)を迎えてレコーディングされた3rdアルバム。体制は変わったもののバンドの薬物依存体質は変わらず、メンバーは心身ともにボロボロ。おかげで制作は難航、作品も精彩を欠く散漫な仕上がりとなったが、それでも楽曲の端々には研ぎ澄まされた攻撃性と舌鋒鋭いシニシズムが鮮やかにギラつく。


RUST IN PEACE (1990年)

「ホリー・ウォーズ…ザ・パニッシュメント・デュー」「ハンガー 18」「トルネード・オブ・ソウルズ」「ラスト・イン・ピース…ポラリス」「ファイヴ・マジックス」「テイク・ノー・プリズナーズ」収録

★リハビリを経てドラッグ依存を断ち切ったムステインとエレフソンが、マーティ・フリードマン(ギター)とニック・メンザ(ドラムス)を加えた新布陣で取り組んだ4thアルバム。鋭利に硬質に組み上げられた機能的なリフ、オリエンタルな詩情を醸し出す叙情的なメロディ、機知や洞察力に富む冷笑的な歌詞世界など、クリーンになったバンドの本来の手腕と持ち味が遺憾なく発揮された充実作。グラミー賞にも初めてノミネートされた。


COUNTDOWN TO EXTINCTION (1992年)

「スキン・オー・マイ・ティース」「狂乱のシンフォニー」「スウェッティング・ブレッツ」収録

★ポップスの素養を持つマーティがソングライティングにも関わるようになったことで、攻撃性より普遍性、スピードよりメロディ、過激さよりキャッチーさを求める方向へと果敢に進路を再設定した5thアルバム。これまでになくストレートにアレンジされた楽曲群は、マックス・ノーマンによるドライな音作りとも相まってかなり硬派でソリッドな印象を与える。ジャケットから“ヴィック・ラトルヘッド”が消えたことも物議を醸した。


YOUTHANASIA (1994年)

「ア・トゥー・ル・モンド」「終わりなき旅路」「審判の日」収録

★ビルボード2位に初登場、マルチ・プラチナムを達成するなど過去最高の商業的成功を収めたバンドが、前作で実践したメインストリームへの歩み寄りをさらに推し進めた6thアルバム。出自たるスラッシュ・メタルの要素はますます減少、メロウなフィーリングやゴージャスなダイナミクスが前面に押し出されたリッチでリリカルな作風はまたも市場に好意的に受け入れられた。が、その裏でムステインは再び悪癖の薬物依存に・・・。


HIDDEN TREASURES (1995年)

「アングリー・アゲイン」収録

★映画のサウンドトラックやトリビュート・アルバムなどに提供されていた楽曲をまるっとコンパイルしたEP。ムステインが敬愛するアリス・クーパーの「ノー・モア・ミスター・ナイス・ガイ」、原曲のテンポを遥かに超えるブラック・サバスの「パラノイド」といったカヴァーの仕上がりもさることながら、90年代の快進撃を支えた鉄壁のラインナップによるオリジナル曲のタイトな演奏、ソリッドな曲調も超高品質。ファン必聴!


CRYPTIC WRITINGS (1997年)

「トラスト」「シーウルフ」収録

★自身がギタリストを務めるジャイアントでの活動のかたわら、プロデューサー/ソングライターとしても幅広く腕を振るっているダン・ハフを制作陣に招いて制作された7thアルバム。メインストリームでも名声を博しているダンとの共同作業により音楽性はさらにポップにキャッチーにヴァラエティ豊かに、サウンドはさらにクリアで耳触りの良いものへとますます洗練されたが、反面、筋金入りのメタル・ファンからは大きな嘆息が漏れた。


RISK (1999年)

「ワンダーラスト」収録

★ツアー中に膝の手術を要することとなったニックが脱退、後任にムステインのソロ・プロジェクトMD.45にも参加していたジミー・デグラッソ(ドラムス)を迎えて制作された8thアルバム。メインストリームへの接近という意味では前作の延長線上を行くとはいえ、ここに来て唐突にインダストリアル・ロックのアレンジを採り入れるなど、その方法論は明らかに迷走状態。本道を見失いトレンドにも乗り損ねたバンドは徐々に失速していく。


THE WORLD NEEDS A HERO (2001年)

「ドレッド・アンド・ザ・フュージティヴ・マインド」収録

★かねてよりムステインと意見を対立させていたマーティが脱退してしまったため、サヴァタージなど数多くのバンドでプレイしてきたアル・ピトレリ(ギター)を迎えて制作された9thアルバム。新たに移籍した『サンクチュアリ』からの助言で久しぶりに“ヴィック・ラトルヘッド”をジャケットに登場させたり、人気曲「ハンガー 18」の後日譚を描いたりと往年への回帰指向も窺わせたが、残念ながら音楽的には中途半端な仕上がりに。


THE SYSTEM HAS FAILED (2004年)

「ブラックメール・ザ・ユニヴァース」収録

★左手の神経に異常を来たしたことで一時はギターを弾けなくなるとも言われていたムステインが失意のうちに脱退を宣言、メガデスはあえなく活動停止へと至ってしまう。が、懸命の治療により見事に再起を果たしたムステインは、まもなく旧知のクリスらセッションマンとともにソロ・アルバムの制作に乗り出す。かくて完成された作品にメガデスの名前を冠して送り出されたのが本作。ゆえに番外編とも言えるが、内容は決して悪くない。


UNITED ABOMINATIONS (2007年)

「ワシントン・イズ・ネクスト!」収録

★新たに『ロードランナー』へとレーベルを移して発表された11thアルバム。司令塔のムステイン以下、エイドロンの一員で前作に伴うツアーにも帯同していたショーン(ドラムス)とグレン(ギター)のドローヴァー兄弟、ブラック・レーベル・ソサイアティなどに参加してきたジェイムズ・ロメンゾ(ベース)という実力者ばかりが顔を揃えたことで往年の切れ味が復活、過激さと耳馴染み良さをあわせ持つ本来の持ち味が堂々と示された。


ENDGAME (2009年)

「ヘッド・クラッシャー」収録

★個人的な問題で脱退したグレンの後任にクリス・ブロデリック(ギター)を迎えて制作された12thアルバム。ミュージシャンとしての成長、バンドとしての成熟がさらなる音楽性の深化につながったことを印象付ける聴きどころ満載の秀作。高度な技術に裏打ちされた鋭角的なリフ・ワーク、時にマーティの面影を感じさせる雄弁なメロディ使い、興奮を煽り立てずにおかない劇的な展開術など、作品全編に歴戦の王者らしい貫禄がみなぎる。


TH1RT3EN (2011年)

「パブリック・エナミー・ナンバー1」収録

★ムステインとの間に長らく確執を抱いていたエレフソンが復帰、およそ10年ぶりに2人のデイヴが揃って制作された13thアルバム。90年代に行なわれたセッション時に完成していたアウトテイクと新たに書き下ろされたマテリアルが混在する内容ながら、往年の持ち味を完全に取り戻したバンドにより作品は筋の通った剛健な仕上がりに。アンディ・スニープに代わったジョニー・Kによるダイナミックなプロデューシングも作風にぴったり。


SUPER COLLIDER (2013年)

「キングメーカー」収録

★ムステインが所有するスタジオ『ヴィックス・ガレージ』にてレコーディング、彼が主宰するレーベル『トレードクラフト』から送り出された14thアルバム。メンバーもプロデューサーも同じ、制作環境もリラックスできるものだったせいか、鋭利で技巧的なスラッシュ・メタルの息吹に覆われていた前作より一転、再び90年代後半の進路を辿ったごときメインストリーム指向の作風となった。しかしビルボードでは前作を超える6位を記録。


DYSTOPIA (2016年)

「ザ・スレット・イズ・リアル」「ポイゾナス・シャドウズ」「デス・フロム・ウィズイン」「ディストピア」収録

★現時点での最新作にあたる15thアルバム。クリスとショーンが脱退したことを受け、レコーディングはアングラのキコ・ルーレイロ(ギター)とラム・オブ・ゴッドのクリス・アドラー(ドラムス)を迎えて行なわれることとなったが、彼らの加入がバンドに新鮮な刺激をもたらしたらしく、音楽性は再びヘヴィでアグレッシヴな路線へとがっちり回帰。ビルボードでは3位に初登場、12回目のノミネートで初めてグラミー賞の栄冠にも輝いた。


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