精神破壊(メンチサイド) ホラー漫画『ミスミソウ』とは?

押切蓮介先生が『ホラーM』(ぶんか社)誌上で2007年から2009年にかけて連載。
これまでの押切作品で見られたギャグ要素や妖怪などの怪奇要素が排除され、心理描写や舞台設定にこだわり「人の内面の闇が生み出す恐怖」を描いたサイコホラー作品です。

学校でのいじめを起点にごく普通の少女が殺人に身を投じていく様や、登場人物それぞれが抱える心の闇、壮絶なクライマックスなど見どころが多い反面、描写や展開があまりにも凄惨で、

「・・・(絶句)」

となり、精神崩壊レベルのトラウを植えつけられること必至。そのためか、商品説明には「精神破壊(メンチサイド) ホラー」というアオリがつけられています。

バイオレンス描写や人の死が関わる話が苦手な人には正直に言うとオススメできません。読むときは覚悟が必要だと思います。
それでも、興味を引かれて読み始めてもらえば、各キャラクターがどのような結末を迎えるのか気になって気になってページをめくる手が止まらなくなるマンガです。

『ミスミソウ』あらすじ

東京から田舎の中学に転校してきた主人公・野咲春花 (のざき はるか)を待っていたのは、凄惨なイジメだった。

春花の唯一の味方は、同く転校してきたクラスメイトの相場晄 (あいば みつる)。彼を心の支えに中学校卒業までの残り2カ月を必死に耐えようとするが、日に日に嫌がらせはエスカレートし、そして、ついには燃え上がる炎が春花の家を焼き尽くした。

春花の妹・祥子は大火傷を負いながらも一命をとりとめたが、両親は命を落としてしまう。

やがて事件の真相が露見することを恐れたイジメグループは春花に自殺するよう強要するが、それがきっかけとなって春花は事件の真相を知り、家族を奪ったイジメグループへの復讐を開始する。

厳しい冬を耐え抜いた後に雪を割るようにして咲く花・三角草(ミスミソウ)のように、春花はこの厳しい時期を耐えて、春にきれいな花を咲かせることができるのか・・・

電子書籍版『ミスミソウ』

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『ミスミソウ』の主な登場人物

野咲春花 (のざき はるか)

本作の主人公の少女。転校した中学でイジメに遭う。イジメがエスカレートし、家を焼かれて両親を失い、最愛の妹は大火傷を負ってしまう。
のちに、イジメグループが証拠隠滅のため自殺を迫った時に事件の真相を知り、復讐を開始する。

相場晄 (あいば みつる)

春花の唯一の味方になっているクラスメイトの少年。カメラが趣味。
普段は温厚で春花に優しく接しているが、暴力的で執着心の強い裏の性格を秘めている。

小黒妙子 (おぐろ たえこ)

イジメグループのリーダー格の少女。
本来は優しく転校してきたばかりの春花に初め話しかけて仲を深めていた、晄が春花に接近したことがきっかけで春花をイジメの対象にする。

佐山流美 (さやま るみ)

イジメグループの1人で春花の家への放火の実行犯。春花が転校してくるまではイジメの標的だった。
春花が登校拒否を決心したことで再びイジメの標的となり、そこから逃げるために春花の家への放火を計画、実行する。

南京子 (みなみ きょうこ)

春花達のクラスの担任教師。イジメを黙認しており、相談に来た春花の父親も冷たくあしらう。
中学時代にイジメを受けていた過去があり、それがトラウマになっている。

ここが怖いよ!『ミスミソウ』のトラウマシーン

※ネタバレを含みますのでご注意ください。

春花の家が燃えるシーン (電子版 第1巻より)

第1話のラストシーンです。マンガは第1話で読者の心を掴むことが大切とよく耳にしますが、第1話のラストでいきなりこれってかなり強烈じゃないですか?

なぜ、春花の家が燃やされなければいけなかったのか?
なぜ家族を失わなければいけなかったのか?

それが第2話以降で描かれます。

流美が春花に犯行を耳打ちでほのめかすシーン (電子版 第2巻より)

春花の家に放火をした後に、気に入らない春花に対して流美が放った一言。
焼死した両親を暗に仄めかしています。こんなこと言われたブチ切れるわ・・・

事件の真相を知った春花が最初の犯行を行うシーン (電子版 第2巻より)

事件の真相を知り、春花がキレて最初の復讐を実行する時の表情。心の闇、歪みが見事に表情に表れています。
そして、このあとイジメグループメンバーを惨殺するシーンがマジでトラウマ。初めて読んだときは夢に出てくるかと思いました。
どのようなシーンが描かれているのかはぜひコミックを読んで確認してみてください。

晄の本性が垣間見えるシーン (電子版 第5巻より)

これまで温厚で春花に優しく寄り添い守ってきた晄の裏の顔が露見したしたシーン。
晄はイジメグループに復讐を遂げた春花が罪を背負いながらも希望のあるラストシーンを迎えるための存在なんでしょと思いながら読んでいると・・・雲行きが怪しくなった一コマ。

犯行を繰り返し、心身共に疲弊した春花と裏の顔をもつ晄がどのようなラストを迎えるか・・・

南京子と除雪車のシーン (電子版 第6巻より)

あー、これ、ダメやつ。次のページが悲惨すぎる。最初見た時吐くかと思いました。
ごめんなさい、続きを見たい方はコミックで。

実写映画の予告編でも少しこのシーンが流れてます。このシーンを実写にするのはマズいのでは・・・。これまでのシーンと比べても破壊力が段違いすぎます。

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感想

イジメに始まり、春花の自宅炎上、イジメグループへの復讐、信頼していた人の裏の顔、人が抱える心の闇などを通して、計り知れない憎悪とそこから生まれる恐怖をリアルに感じることができてしまう作品だと思います。
面白すぎてページをめくる手が止まらないではなく、正直次のページをめくるのは怖いけど、怖いものみたさでついついページをめくってしまう。そんなマンガです。

"怖い"・"グロい"・"胸糞悪い"で途中で読むのを止めてしまいそうになったのですが、やっぱり続きが気になるんですよ。

春花の復讐がどういう結末を迎えるのか?
春花は幸せな未来を手にすることが出来るのか?

ラストシーンはぜひマンガを読んで確かめて下さい。

2018年4月 『ミスミソウ』禁断の実写映画化

原作コミック完結から約9年、監督に『ライチ☆光クラブ』の内藤瑛亮、主人公・野咲春花役に映画初主演となる若手女優・山田杏奈を迎えて実写映画化!
クラスメイトの相場晄役に清水尋也、小黒妙子役に大谷凜香、佐山流美役に大塚れなと映画初出演者の多い、フレッシュなメンツが揃いました。


心理描写や人間関係を描いた作品なので実写映画化向きの作品です。
『ミスミソウ』の見所でもあるバイオレンスシーンがどのような仕上がりになっているのか気になりますね。良いのか悪いのか分かりませんが、予告編を見る限りだと原作を忠実に再現していそうです・・・

実写で見たらますますトラウマになるかもしれませんね。原作と映画の違いを楽しむのも良いと思います。

『ミスミソウ』コミック(紙版)

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『小説 ミスミソウ』コミック(紙版)

コミック『ミスミソウ 完全版』にオリジナルエピソードを交えてノベライズ。文字で書かれた復讐描写がすごい・・・エグイ・・・。
カバーイラストは押切蓮介先生の描き下ろし。

この記事を書いた人

トミヲトミヲ:Neowingの書籍と電子書籍販売を担当しています。Twitterも担当していますので、ぜひフォローして下さい♪

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