本日の出席者

チャーリー チャーリー:50代。私、戌年なんですよ。そう年男。なんでもシド・バレットも戌年だそうで。なんだか嬉しい。そういえばマイケルもプリンスもマドンナも戌年だ。あ、TKもあのMJも小西さんも――

東風平 東風平:40代。このお題で真っ先に浮かんだのはSNOTだったが、次に浮かんだポール・ギルバートとSCORPIONSのCDはとうとう見付けられず。なぜ棚に無いのだ? ・・・はっ! まさか引越しん時か?

東風平 AC/DC "DIRTY DEEDS DONE DIRT CHEAP" (1976)


▼オーストラリアが生んだ世界最強&史上最高のロックンロール・バンド、AC/DCの3rdアルバム。表題曲はライヴ鉄板の必殺曲。

ボン・スコット(ヴォーカル)、アンガス・ヤング(ギター)、マルコム・ヤング(ギター)、マーク・エヴァンス(ベース)、フィル・ラッド(ドラムス)から成る初期のお馴染みのクインテットが、エネルギーもパッションもヴォルテージも最高潮に高めて豪快に溌剌と弾き出すロックンロールはまさにシンプル・イズ・ベスト。これで燃えなければ、たぶんロック無しでも生きていけます。

ちなみに、ヒプノシスが手掛けたアートワークを載せる本作はインターナショナル盤。本国盤は装丁も収録曲も異なる。(東風平)

チャーリー PAVLOV'S DOG "PAMPERED MENIAL" (1975)


▼セントルイスで結成されたPAVLOV'S DOGの1975年のデビュー・アルバム。バンド名は条件反射で有名なパヴロフ博士の研究から。

プログレッシヴ・ロックとされているがアメリカン・ハード・ロックが基本になっている。そこにヴァイオリン、フルート、メロトロンが絡まりぐっとウェットで陰鬱なムードに。メロトロンはほぼ鳴りっぱなしだ。

なんといってもバンドの特徴はデヴィッド・サーカンプ(ヴォーカル)のハイトーン・ヴォイスだ。1曲目、クラシカルなピアノのイントロの後に出てきたヴォーカルにレコードの回転数を間違えたと思った。悲しみとロマンティシズムを内包したその声こそがこのバンドに必要だったのだろう。だからこそ不思議な魅力を持った作品ができた。(チャーリー)

東風平 THREE-HEADED DOG "HOUND OF HADES" (2006)


▼イギリスはバーミンガム出身、活動期間があまりに短かすぎたせいでいまだに実態がよくわからない幻のハード・ロック・バンド、THREE-HEADED DOGの発掘音源集。後身であるSTALLIONなどの貴重音源も収録。

ツイン・ギターで重たく翳ったリフと哀愁を帯びたメロディを奏でるゆえにWISHBONE ASHや最初期のJUDAS PRIESTと比べられることもままあるが、1973年の録音にしては音楽的にいささか古めかしく、ブルース入りなこともあり、個人的にはYARDBIRDSやROLLING STONESなどを思い出したりも。

ブラス不在なので本家ほどの派手さはないが、ヘヴィ&スリリングなCHICAGO「長い夜」のカヴァーも聴きどころ。(東風平)

チャーリー Date of Birth "思い出の瞳" (1986)


▼1986年のメジャー・デビュー・シングル。福岡で結成されメンバーは重藤三兄弟とNorico。当初からプライベート・スタジオを所有しこの作品もそこで録られた。

多分、4人とも相当なポップ・フリークなんだろう。いわゆる「わかってる人達」。この曲はオケヒットやゲートリバーヴを多用した80'sなサウンドと60'sっぽいメロディ、アレンジが並存している。博多の駅前の喫茶店でトレヴァー・ホーンとカート・ベッチャーがお茶している感じ。

彼らの楽曲がゴジラ映画のテーマ曲、ドラマ『あなただけ見えない』のサントラやCMで使われていたので聴いたことある人も多いのでは。

ほぼ同じ頃にピチカート・ファイヴ、フリッパーズ・ギターがデビューしている。新しい日本のポップ・ミュージックの始まりだったのかもしれない。(チャーリー)

東風平 FLEETWOOD MAC "FLEETWOOD MAC" (1968)


▼英国ブルース・ロックの草分け的存在、JOHN MAYALL & THE BLUESBREAKERSの一員だったピーター・グリーン(ギター)とその仲間達により1967年に結成されたFLEETWOOD MACのデビュー・アルバム。

ロバート・ジョンソンやエルモア・ジェイムス、ハウリン・ウルフといった巨人達の楽曲がいくつか取り上げられているとおり、米国ブルースのエッセンスを血肉にシンプルに情熱的に奏でられていく生々しい演奏は、とてつもなくブルーでホットでメランコリック。

情感あふれるピーターのこなれた指さばき、興奮を誘うジェレミー・スペンサー(ギター)の歌うようなスライド、その濃厚なコンビネーションに心底シビレる。(東風平)

チャーリー THE CRUSADERS "THOSE SOUTHERN KNIGHTS" (1976)


▼THE CRUSADERS、1976年の作品。個人的にはフュージョンではなくクロスオーバーもしくはジャズ・ファンクと呼びたい。

この作品は持ち前の泥臭いテキサス・ファンクと洗練さのバランスがとてもよい。これ以降、1979年の『STREET LIFE』に向け、さらにスタイリッシュになりポピュラリティを獲得していくのだ。

今までサポートミュージシャンだったラリー・カールトン(ギター)とロバート・ポップウェル(ベース)も正式メンバーになりオリジナル・メンバー4人と一体となって強力なグルーヴを放っている。THE CRUSADERSが初めて「バンド」になった作品でもある。(チャーリー)

東風平 I MOTHER EARTH "DIG" (1993)


▼90年代メインストリームを席巻したオルタナティヴ・ロックのブームに引っ張られて注目を集めるようになった、カナダはトロント出身の4人組によるデビュー・アルバム。

シアトルの大御所SOUNDGARDENや彼らも敬愛するLED ZEPPELINなどに影響を受けたというだけあって、ワイルドなギター・リフをグルーヴィに掻き鳴らすグランジ・マナーのヘヴィ・ロックがサウンドの基本となっているが、時にSANTANA譲りのラテン・パーカションやPINK FLOYDっぽい幻想的なメロディ/アンサンブルを聴かせるなど、端々に通好みな音楽スキルの高さも窺わせる。

翌年に『ジュノ・アワード』最優秀ハード・ロック・アルバム賞を獲得。(東風平)

チャーリー MIKE OLDFIELD "HERGEST RIDGE" (1974)


▼孤高のマルチ・ミュージシャン、マイク・オールドフィールドの1974年のセカンド・アルバム。

前作同様アルバム1枚で1曲。ほぼ全ての楽器をオールドフィールドが演奏し、ストリングス・アレンジにケヴィン・エアーズ・バンドのバンド・メイトだったロバート・ベッドフォード、ヴォーカルで姉のサリーなど数名のミュージシャンが参加している。

『HERGEST RIDGE』とはオールドフィールドが移り住んだイギリスの田舎の地名。ジャケットの写真はそこの丘から撮影されたもの。写っている犬はアイリッシュ・ウルフハウンドという種類でBootlegという名前が付いているそうだ。2010年のリイシューで大幅にジャケットが変更された。

この地の田園風景を描いた音楽は牧歌的でクラシカルに進行していく。メロディはアイリッシュ・フォークから影響が感じられる。演奏はしだいに熱を帯び、後半ではエレクトリック・ギターの多重録音による嵐がやってくる。やがて嵐が去り穏やかな風景をナイロン弦ギターが描きエンディングに向かう。

当時の彼が21歳だと思うとため息がでる。(チャーリー)

東風平 BUTTHOLE SURFERS "LOCUST ABORTION TECHNICIAN" (1987)


▼華々しい表舞台ではほとんど知られていないがルール無用の裏街道では熱烈な支持を得ている(NIRVANAのカート・コバーンもその1人)、パンクでサイケでエクスペリメンタルなロック・バンドによる3rdアルバム。

リフもタイトルもBLACK SABBATHの有名曲をおちょくったかの「Sweet Loaf」に幕を開けるとおり、歌うというよりは悪態を吐いていると形容したくなるヴォーカル、チューニングが合っているかどうかさえあやしいギター、やたらスローで間延びしたリズムが支離滅裂に鳴らされる、思いっきり人を食ったデタラメな音楽が思う存分楽しめる。

さすがは13TH FLOOR ELEVATORSとD.R.I.を生んだテキサスの出身。(東風平)

チャーリー HOMUNCULUS RES "COME SI DIVENTA CIO' CHE SI ERA" (2015)


▼イタリア、シチリアのプログレッシヴ・バンドの2015年セカンド・アルバム。

ブルースやジャズを演奏する若いバンドがあり、なおかつ新曲が作られているというのは普通のことだ。プログレの新しいバンドがあっても不思議ではない。様々なスタイルがあるプログレから彼らが選んだのは「カンタベリー系」。CARAVANやHATFIELD AND THE NORTHが好きなんだろうな。ファズ・オルガンが鳴るとニヤっとしてしまう。

全体的には明るくて穏やかなメロディが流れる。変拍子も多用しているが、スムースに進行していてカオスになるようなことはない。シチリア出身ということもあるのか太陽の煌きさえ感じる。

邦題が秀逸。『変拍子の王国』、これ70年代だったら怒られちゃうかもしれないが、現代では全然OKだ。むしろよくできたタイトルだなと感心する。(チャーリー)

東風平 ENTOMBED "SAME DIFFERENCE" (1998)


▼スウェーデンのデス・メタル・シーンを切り開き、先頭に立って牽引してきたストックホルムの重鎮、ENTOMBEDの5作目。

メイン・ソングライターだったニッケ・アンダーソン(ドラムス/現IMPERIAL STATE ELECTRIC)の脱退を受け、元FACE DOWNのピーター・スターンヴィンドを迎えて見事に再始動を果たす・・・はずだったが、ニッケ不在の影響はやはり大きく、ウッフェ・セダールンド(ギター)主導で制作されたアルバムはなぜかオルタナティヴ・ロック色の濃いものに。おかげで当時のファンは大困惑。

しかしバンドは翌年、MOTORHEAD直系の侠気R&Rを満載にした会心作『UPRISING』を発表、無事信頼を取り戻した。(東風平)

チャーリー JAMES TAYLOR "ONE MAN DOG" (1972)


▼アメリカを代表するシンガー・ソングライター、ジェイムス・テイラーの1972年の作品。ジャケットのように自然体で優しい音楽。(歌詞はそうでもないが)

穏やかな歌声をバックアップするのは幼馴染のギタリスト、ダニー・クーチ率いるTHE SECTION(ダニー、リーランド・スクラー(ベース)、ラス・カンケル(ドラムス)、クレイグ・ダーギー(キーボード))の4人。彼らは歌伴をやらせたら世界一だと思う。本作でも相性はばっちり。

曲によってゲストが入っているが、驚きなのがジャズ・ギタリストであるジョン・マクラフリン。演奏だけではなく曲も提供している。アコギによる超絶ギター・ソロはさすが。もちろんアルバム全体の雰囲気は壊していない。

前作の「君の友達」のようなヒット曲がない本作は地味な存在かもしれないが、聞けば聞くほど味がでる良質な作品。(チャーリー)

東風平 SNOT "GET SOME" (1997)


▼アメリカはサンタバーバラ出身、ニュー・メタルとも呼ばれた90年代後半のミクスチャー・ブームを代表した5人組がわずか3年ほどの活動期間中に遺した唯一のアルバム。メタル、パンク、ファンク、レゲエ、ヒップホップなどを雑多に混ぜ合わせた何でもありの音楽性は、まさにこの当時の王道を行く。

1998年12月11日、音楽的にもキャラクター的にもバンドの中心的存在だったリン・ストレイト(ヴォーカル)と、本作のジャケットで愛嬌のある決め顔をしている彼の愛犬ダブスが交通事故に巻き込まれて共に他界。制作途中だった2ndアルバムは親交のあった面々が多数集って完成、追悼作『STRAIT UP』として2000年に発表された。(東風平)

チャーリー ERIC CLAPTON "THERE'S ONE IN EVERY CROWD" (1975)


▼前作、1974年の『461 OCEAN BOULEVARD』はエリックのカムバック・アルバムとして熱狂的に迎えられた。それは「ブルース・ギター弾きまくり」ではなくいわゆる「レイドバック」した作品だった。

それに続く本作はさらにレイドバックしている。レコーディングされたジャマイカの緩い空気が漂っている。ジョージ・テリー(ギター)、カール・レイドル(ベース)、イヴォンヌ・エリマン(ヴォーカル)、マーシー・レヴィー(ヴォーカル)らの461バンドの演奏が心地よい。ギター・ソロはほとんどジョージが弾いてるんじゃないかと思わせるぐらいエリックはバンドのシンガーっぽい。そのリラックスした歌い方に「エリック先生、あまり飲みすぎないようしてくださいよ」と言いたくなる。

最後にエリック自身のこのアルバムについての発言を。

「3~4回聴いて好きになれない人は永遠に好きになれない」(チャーリー)

東風平 THE MELVINS "NUDE WITH BOOTS" (2008)


▼1983年の結成から実に30年以上、世間のトレンドには目もくれず、言葉本来の意味でオルタナティヴ(既成のやり方に捕らわれず斬新)にマイペースに我が道を突き進んできたアメリカはワシントン州アバディーン出身の超自由発想ヘヴィ・ロック・バンド、THE MELVINSの2008年発表作。

旧知の仲だったBIG BUSINESSの2人を迎え入れツイン・ドラムの4人編成になったことで、もともとヘヴィだったリズムがさらに野生的に強化、コーラス/ハーモニーにも豊かな厚みが加わり、深化の連続だった彼らの音楽性はここでまたさらに先へと進んだ。

ちなみに、収録曲「Dies Iraea」は映画『シャイニング』テーマ曲の翻案。(東風平)

チャーリー CROSBY, STILLS, NASH & YOUNG "DEJA VU" (1970)


▼前作(と言っていいのか?)で一応の完成を見たデヴィッド・クロスビー(ヴォーカル、ギター)、スティーヴン・スティルス(ヴォーカル、ギター)、グラハム・ナッシュ(ヴォーカル、ギター)の3人はさらにサウンドを強化するために「S」の元同僚「Y」ことニール・ヤング(ヴォーカル、ギター)を呼び寄せる。それはハーモニーを豊かにしロック的エネルギーの増量に成功したが、同時に一触即発の爆弾を抱えることになった。

ニール・ヤングとスティーヴン・スティルスは仲がいいのか悪いのかよくわからない。喧嘩別れしたと思ったら二人の名前を冠したバンドを組んだり。いずれにせよ素晴らしいミュージシャンには変わりはないが。

『DEJA VU』は4人の個性がぶつかり、なおかつ溶け合った奇蹟の一枚だ。(チャーリー)

東風平 ALICE IN CHAINS "ALICE IN CHAINS" (1995)


▼グランジ/オルタナティヴのトレンドを象徴するトップランナーのひとつと目されていたシアトル産4人組が、堂々自分達のバンド名を冠して送り出した3rdアルバム。

気だるく物憂げなヴォーカルや重く引きずるようなグルーヴ、皮肉めいた厭世的な雰囲気など、音楽的にも外見的にもいかにもジェネレーションXらしいイメージを備えてはいたものの、彼らの根本にはBLACK SABBATHやMETALLICAなどのヘヴィ・メタルと同じく、ブルースやカントリーといったアメリカのルーツ音楽の影響も色濃くあった。

そうした多彩で堅実な持ち味が最も成熟した形で反映されたのが本作だったが、これを最後にバンドはあえなく一旦解散。(東風平)

チャーリー BOBBY CHARLES "BOBBY CHARLES" (1972)


▼ボビー・チャールズ、1972年の初めてのフル・アルバム。

50年代に『チェス』からデビューしてた事、「See You Later, Alligator」の作者だという事はずいぶん後になってから知った。

流れ流れてウッドストックにたどり着いた彼は素晴らしいミュージシャン達と出会う。THE BAND、ドクター・ジョン、エイモス・ギャレット、ジェフ&マリア・マルダー、ジョン・サイモン・・・

このアルバムにはそれらのミュージシャンが参加している。ゆったりしたニューオリンズ風アメリカン・ルーツ・ミュージック。素朴なボビーのヴォーカルが胸にしみる。

2010年に亡くなるまでの長いキャリアでアルバムは8枚。ライブも苦手でほとんど行っていない。ウッドストックの豊かな自然の中でゆったりと暮らしていたのだろうか。

遠い地に住む古い友人から久しぶりに届いた手紙、そんな印象のする作品である。(チャーリー)