2016年度の本屋大賞には...
「稀代の受賞者に比べて宮下の知名度の低さは抜群。そういう意味でも私は誇りに思います。無名の作家を選んでくれた。私の勲章だと思って生きていこうと思う」と授賞式で本人自らが語った、丁寧で的確な心理描写に定評のある宮下奈都氏による、ピアノ調律師として生きる青年の苦悩と成長を綴った『羊と鋼の森』が受賞しました。

2016年本屋大賞 『羊と鋼の森』宮下奈都


ゆるされている。世界と調和している。それがどんなに素晴らしいことか。言葉で伝えきれないなら、音で表せるようになればいい。ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。

2016年本屋大賞ランキング

2016年 翻訳小説部門

2016年の間に日本で翻訳された小説 (新訳も含む) の中から「これぞ!」という本を選び投票したもの。第1位には、ガブリエル・ゼヴィン/著、小尾芙佐/訳による『書店主フィクリーのものがたり』(早川書房) が選ばれました。

翻訳小説部門 第1位 『書店主フィクリーのものがたり』ガブリエル・ゼヴィン/著 小尾芙佐/訳


その書店は島で唯一の、小さな書店――偏屈な店主のフィクリーは、くる日もくる日も、一人で本を売っていた。ある日、所蔵していたエドガー・アラン・ポーの稀覯本が盗まれる。売れば大金になるはずだった財産の本が。もう、なにもない、自分にはなにも。それでもフィクリーは本を売る。そしてその日、書店の中にぽつんと置かれていたのは――いたいけな幼児の女の子だった。

翻訳小説部門ランキング