今日が人生最後の日だとしたら…

こんにちは、チャーリーです。日本人です。主にwebページの作成などやっています。優柔不断で小心者のおっさんです。
人生の最後に聞きたい音楽ですか。うーん、迷うなぁ。というか洒落じゃなくてマジに考えてもおかしくない年齢かも(笑)。

で、2日と3時間悩んで選んだのが、ロック。ポップスの歴史で燦然と輝く名盤中の名盤。あれ、Vol.2 扇谷くんと被ってる?

ビーチ・ボーイズ / ペット・サウンズ

「ペット・サウンズ」は1966年にリリースされたビーチ・ボーイズのアルバム。
他のメンバーがツアーに行っている間、ブライアン・ウィルソンはスタジオに残りニューアルバムのためのレコーディングをしていました。23歳のブライアンは年上のベテランスタジオミュージシャンを使い、自分が理想とするポップミュージックを具現化していきます。

先進的過ぎていままでのポップスにはない音楽性に最初はミュージシャン達からクレームが出ていたけれど、彼の才能に気づいてからは他の仕事をキャンセルしてスタジオに駆けつけたといいます。ツアーから帰ってきたメンバー達のボーカルとコーラスを重ねてレコーディング終了。世界一美しく悲哀と愛に満ちたポップアルバムが完成。ブライアンの才能とメンバー、演奏家達のミュージシャンシップが結実したのです。

しかし、この後重度のプレッシャーからブライアンは心の闇へと落ちて行ってしまいます。

ビーチ・ボーイズとの出会い

今では誰もが認める歴史的名盤である「ペット・サウンズ」だけど、僕が本当にその良さを分かり心から感動したのはずっと後の大人になってからでした。

10代の初め、ラジオを聞くようになりたくさんの音楽を知るようになりました。気に入った曲はカセットに録って何度も聞いていました。少ないお小遣いでレコードも買ったりしました。

まぁ、よくある話で順調にロック少年になっていくわけですね。ただ、ラジオからはいろいろな音楽が流れてくるので、ポップスやイージーリスニングなんかも好きでした。その頃はアメリカとイギリスの音楽だけでなくフランスやイタリアなどいろんな国のポップスもヒットしていた時代でした。

やがてビートルズを通じて60年代の音楽に出合います。先進的でアグレッシブなロックバンドに魅かれたけれど、ヒットポップスにも興味を持つようになります。

その魅力は何といってもメロディの良さでしょう。もう「メロディの宝石箱や~」でしたね。この時代に生きたかった、もっとはやく生まれたかったと思ったものでした。

その中のひとつがビーチ・ボーイズでした。だからそのころの僕にとってのビーチ・ボーイズは「サーフィンUSA」や「ガール・オン・ザ・ビーチ」であり、夏だ、海だ、サーフィンだ、女の子だ、というものでした。ある意味まっとうなビーチ・ボーイズ観かもしれません。後々、それだけではないと知らされる訳ですが・・・

僕のビーチ・ボーイズへのこの見方はしばらく続きます。海へ行くときの車の中で初期のヒット曲や、間をすっ飛ばして「M.I.U」や「LA」なんかをよく聞いてました。

ある日突然

30才を超えたある日、何気にペット・サウンズを聞いてみたら、あれ、なんか違って聞こえる。なんか心を鷲掴みにされたような。そして感動がゆっくりやってきた。なんで今まで気が付かなかったんだろう。

制作の話を知りさらに泣けてきました。たった23歳で、全身全霊を込めて人類未踏のポップミュージックを作り上げたブライアン。23歳、23歳ですよ!

天才?いや天才という言葉はちょっと違うような。「神」でもないな。音楽を作るために生まれてきた特別な存在という気がします。

「ペット・サウンズ」を聞いて「サージェント・ペパー・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」を作る決心をしたポール・マッカトニーも23歳。すごいなー。

それからというもの初期のビーチ・ボーイズも違って聞こえました。今ではどれを聞いても泣けてしまうので、あまり聞かなくなってしまうという本末転倒ぶり。

ブライアンは奇跡的なカムバックを果たし日本に何度か来てくれました。2012年には50周年を記念したツアーでビーチ・ボーイズとして来日しました。

ソロとして現在も北米ツアー中です。慈愛に溢れた特別な時間が流れるブライアンのコンサート。また日本に来てほしいけど、無理はしないでね。

あ、そうそう、僕も泣きましたよ。ブライアンの伝記映画の予告編。映画見に行ったら号泣必至だろうな。見に行くのはやめたほうがいいかな。

そして最後の日

「ペット・サウンズ」が流れる部屋で、今まで生きてきた日々の断片を思い出すでしょう。きっと特別な日じゃなくて、なんでもないような普通の日々の風景が浮かんでくるんだろうな。

それから友達や恋人や両親、職場の仲間達。僕に関わってくれた人達の顔を思い浮かべながら感謝の気持ちを伝えたい。

「取り立てて派手な人生だったわけでもなく、悲しいこともあったけど概ね幸せな人生だったよ。ありがとう。」

元気なバナナとルーイの鳴き声を聞きながら静かに眠りに就くのです。後には列車が通過する踏切の音が鳴り響いているだけ。サヨナラ。

以上、僕の「最後の“盤”餐」でした。

ビーチ・ボーイズ関連商品

この連載のまとめページ

いろんな方々の「最後の“盤”餐」はコチラから!

http://www.neowing.co.jp/feature/last_music_index