「前作よりも、より直線的で、ヘヴィで速いアルバムになるよ」と新作への見通しを語っていたフロントマン、マシュー・キイチ・ヒーフィーの言葉どおり、通算5作目となる今回のアルバムでは、それまでの音楽的進化を集大成した前作の路線をさらに推し進めると同時にアグレッシヴなヴァイブを大幅に増強、持ち前のヘヴィさだけでなくキャッチーさにもさらなる磨きがかけられている。

ダイナミックに進化した楽曲と同じく、表現力を増したマシューのヴォーカルもまた新作の大きな聴きどころだ。ブルータルなスクリームからメロウなクリーン・ヴォーカルまで、場面に応じて多様に色合いを変える彼のヴォーカルは今回、メタル・ファンだけに留まらず幅広いリスナー層に訴求しうる普遍的な魅力を発揮している。「今回は特に歌と曲を大事にしたかった」とはマシューの弁だが、新作のバラエティ豊かな仕上がりは、そんな彼の決意がポジティヴに反映された結果と言えそうである。

これまでとは趣の異なるモノクロ調の抽象的なジャケット・アートワーク、新作のために特別にカスタマイズされた衣装など、イメージ面でも洗練された新たな取り組みを実践し、より大きなフィールドへと果敢に踏み出した彼ら。未来を切り開くトリヴィアムの快進撃が、今またここから始まるのだ!

試聴会コボレ話

★去る6月上旬にプロモ来日したマシュー(マット)・キイチ・ヒーフィー(ヴォーカル/ギター)、コリィ・ビューリュー(ギター)の2人は、滞在中に山ほど予定されていた取材の合間を縫って、都内某所にて開かれた試聴会にも揃って参加。疲れた様子を少しも見せることなく、自信の新作『イン・ウェイヴズ』を丁寧に紹介してくれた

★開始予定時刻より少し遅れて会場に到着した2人のうち、まず出席者の目を引いたのがマット。レコーディング中の1コマを捕らえた写真が今年早々に公開されていたので、事前に知っていた人は知っていたはずだが、それでも長髪をバッサリ切り落とした“生短髪マット”はどうにも見慣れない・・・ではなく、とてもフレッシュ。オシャレな黒縁メガネを掛けて登場した彼の姿は、まるでイマドキの大学生のようだった

★一方のコリィもナイスなTシャツで一部の出席者の注目を集める。当日彼が着ていたのはなんとアクセプト「ブラッド・オブ・ザ・ネイションズ」のジャケTシャツ! しかもバクプリに公演日程が入っているリユニオン・ツアー仕様! ・・・さすがです

★当日は時間の都合もあり、試聴できる曲数に限りがあったのだが、2人は「いま聴いてもらったのはブルータルな曲だったから、次はメロディックな曲を」といった具合に、毎度あれこれ相談しながら次に掛ける曲目を決めてくれる。ちなみに、当日のプレイリストは以下のとおり。1. In Waves 2. Watch The World Burn 3. A Skyline's Severance 4. Caustic Are The Ties That Bind 5. Built To Fall

★曲を掛けている間、マットは持参したノートパソコンを自ら操作して、ティーザー映像やアートワークなどをいろいろと出席者に見せてくれる。会の最後にはタイトル曲「In Waves」のビデオ・クリップお披露目となったのだが、会場の都合で大きなスクリーンでの上映はできず。そこでマットは「後ろの方に座っている人は前の方に来て!」と自ら現場を仕切り、出席者がノートパソコンを囲んだところで小さな上映会をスタート。7分を超えるクリップはまるでちょっとした映画のようでした

★試聴会終了後も会場に残り、出席者全員のところへ自ら出向いて握手を交わし、質問や感想に丁寧に答え、写真撮影やサインにも気軽に応じていた彼ら。超が付くほどのナイスガイっぷりで会を有意義なものにしてくれたお2人は、その後、Neowingのために動画コメントも送ってくれました。商品ページにてこちらもぜひご覧ください!