あの伝説とも言えるべきバンドThe Yellow Monkey解散後、YOSHII LOVINSONとしてソロ活動を続けていた彼が、ソロ3作目にして“吉井和哉”名義での初のアルバムをリリースした。

アルバムのタイトルは「39108」。

吉井和哉の年齢「39」と煩悩の数と誕生日を掛けた「108」という数字をプラスしたタイトルを持つ今回の作品は、今年10月8日で40歳を迎える吉井和哉の30代の集大成とも言えるべき作品だ。

ソロとなってから、しばらく内省的な作品が続いていたが、全曲をアメリカ・ロサンゼルスでレコーディングされたという今作では、へヴィな「LIVING TIME」からやるせなくもドラマィックなバラード「LONELY」、疾走感に溢れたロックンロールナンバー「WEEKEND」と、時にユーモアを含み、時にゾクゾクする程の大人の男の色気と毒を含んだ、
濃密な充実の一枚に仕上がっている。

そして忘れてはならないのはアルバムのラストを飾る「BELIEVE」。
吉井自身も気に入っているというアコースティックギターとピアノのサウンドが印象的なこのナンバーは、何かに終わりを告げ始まりへと進みだそうとする心情を語った、切なくも深く心に刻み込まれる1曲だ。

節目を迎え、傑作アルバムを作り出した今、彼の表情からはロックスターとして生き抜くことに対して、腹を括ったかのような清々しささえ感じられる。

どうやら吉井和哉は新たなステージに向かって走り出したようだ。
アクセルは全開だ。

◆吉井和哉 プロフィール◆