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石野田奈津代 特集
石野田奈津代
まずは結論から先に言いましょう。
不覚にも泣いてしまいました。
それも号泣です。

石野田奈津代のメジャーファーストアルバム「60億の涙」。
涙には悲しい涙、嬉しい涙、切ない涙、涙の数だけ様々なストーリーがあるように、世界の人口の60億という数字と共にこの“涙”という普遍的なテーマを持つこのアルバムは美しい情景描写とシンプルながらも暖かいサウンド乗せて語られる12曲の涙の物語達が収められた作品となっています。

なっちゃんと気さくに呼び掛けたくなるような親しみやすい存在感を持つ彼女から生み出される楽曲はどの曲も作品に対するひたむきな姿勢が感じさせる楽曲ばかり。
歌われるドラマはこの上なく切ない程にリアルに聴き手の心情に語りかけてきます。
そしてひとたび彼女がギターを片手に歌い出せば、その艶のある歌声がスッと心に沁み入ってくるのです。

彼女は女を泣かせるシンガーと言われてます。その言葉だけを聞くとさぞやウェットな楽曲が目白押しなのではないかと思われがちかもしれません。
しかし彼女の歌は涙の歌であっても決して自己憐憫のための涙ではなく、ある種の潔さを持って描かれた楽曲のストーリーと共に、流れた涙は希望へと繋がる涙な気がするのです。

人生の中では泣きたくなるような瞬間も多々あるかもしれません、そんな時はこのアルバムを思い出して手に取ってみてほしい。
彼女の歌う楽曲達はこれから先のあなたの人生の節目で大切な友人となってくれることでしょう。
このアルバムがあなたの大切な1枚になってくれたら嬉しいです。

10月からは彼女の弾き語りライブツアー「君がいる町へ」が予定されているとのこと、彼女の生歌は心を揺り動かすような力を持っています。
あなたの町に彼女が来た際にはぜひとも彼女の歌声を体験してみてほしいと思います。


石野田奈津代 official web site
http://www.ishinoda.com/

◆プロフィール◆

石野田奈津代(いしのだなつよ)
シンガーソングライター
東京都・神津島出身
1980年4月28日生まれ

1980年、東京都にある人口2000人ほどの島・神津島に生まれる。
小・中学校時代、いじめにあい、いじめっ子を見返すため、歌手になろうと決意する。
そして、いじめから逃げるため、そして歌手になるため、高校入学と同時に、島を離れ、東京本土に上京。
高校生になり、ギターを始める。人生最大のショックを受けたという「浮気=失恋」により、抑えきれない想いをぶつけるために、自ら本格的に作詞作曲を始める。
その後、メジャーデビューすることを夢見て、制服姿で路上ライブを始める。
口コミで観客が増え、現役女子高生ストリートシンガーソングライターとして注目を集める。
1999年、石野田奈津代が高校卒業目前の18歳の時、[いしのだなつよ/「ひまわり」]で華々しくメジャーデビューを果たす。
しかし、メジャーデビューが夢だった石野田は、夢を無くしてしまう。
1枚のアルバムと4枚のシングルをリリース。数々のテレビ番組のテーマソング、多数のラジオ局のヘビー・ローテーション、パワープレイに選ばれるが、セールスは思うように伸びず、約2年間の活動を経て、石野田が20歳の時にレコード会社・所属事務所との契約は打ち切られた。

メジャー契約終了後、石野田は、ライブ活動を再開。
その後、バンド[kicca]を結成し、インディーズデビューするもバンドの音楽性に悩む日々が始まる。
ついには「なにを歌っていいかわからない」と作詞作曲が出来なくなり、バンドは自然消滅。
音楽活動を辞め、家に引きこもる。

2005年、『自分の歌いたい歌をうたおう!』ともう一度、一人で音楽を始めるため再始動。
メジャー時代の[いしのだなつよ]から漢字の[石野田奈津代]に名前を改める。
その頃、出逢った一人のスタッフとともに、自身の自主レーベル「SONGLiFE」を設立。
CD制作、ライブブッキング、ラジオなどのプロモーション、HP運営、通販業務、デザインなど、活動すべてに関わる作業を、手探りながら自らで行うようになる。
通常のライブ活動の他に、様々な場所で音楽を届ける“シチュエーションライブ”を企画。
自身の曲に合った場所にこだわり、星空コンサート、サンセットビーチ、プラネタリウム、学校の教室、銭湯、結婚式披露宴などでライブを開催している。

これで「反響がない=売れない」場合は、音楽を辞める決意をし、なけなしの全財産をつぎ込み、2007年、8年ぶりのソロアルバム「わたしのうた」をインディーズでリリース。
一人でも多くの人に歌を届けるため、8年ぶりとなる路上ライブも再開。
精力的に全国を回りラジオプロモーションなども行った。
そして地道な活動を続けた石野田の音楽は、徐々に人の「心」に響き始めていく。
テレビ、新聞など様々なメディアで『泣かせるシンガーソングライター』として取り上げられ、その後リリースした2枚のシングル、「春空 -ハルソラ-」がオリコンインディーズランキング16位にランクイン、「クローバー」がオリコンインディーズランキング8位にランクイン、ワンマンライブが各地でソールドアウトするなど、石野田の音楽は多くの反響を呼んだ。

そして2009年、デビューから10年、ふたたびメジャーへ。

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60億の涙
石野田奈津代
60億の涙 石野田奈津代、待望のメジャー・ファースト・アルバム!! 恋愛ソング、人生ソング・・・泣き度120%の切ない楽曲や背中を押してくれる前向きな楽曲、名曲揃いの名盤が誕生!!.....
アルバム CD | 2009/08/12 | 3143円(税込)
製造中止(購入不可)
試聴あり


石野田奈津代 インタビュー

――今回、遂に待望のメジャーファーストアルバム「60億の涙」がリリースされますが、まずは完成した今のお気持ちを教えて頂けますか?

石野田:完成はしたんですけれども、それを届けて聴いてもらわないからには始まらないなっていうとこがあるので、どうやったら多くの人に聴いてもらえるのかなっていうのを考えなきゃって思っているところですね。

――これからが勝負のところみたいな。

石野田:そうですね。10年前に一度メジャーデビューした時なんですけど、レコーディングが終わると、何かもう自分の仕事は終わったみたいな感覚というか(笑)、もう作ったぜーって自分の中で解決してしまうみたいなところがあったんです。

でもインディーズになっていろいろな活動して行くうちに、やっぱりCDがあっても聴いてもらえないと何も始まらないっていうのをすごく思ったんですね。
なのでここからがまたスタートという気持ちですね。

――それって10年前があって、そしていろんなことがあって大人になって経験したりした上でっていうところなんでしょうかね。

石野田:振り返ると本当に10年前は人任せにしていたなと思うんですよね。 後は誰かが何かしてくれるだろうとか、待っているというか、自分から行動しないっていうところがあったんですけど、元々歌を聴いて欲しいと思って作るわけじゃないですか、なので形にしただけだとやっぱりね。

――デビューの時はしょうがないですよね。よくわからないですものね。

石野田:(笑)、っていうふうに甘えてたんですよね。きっとね、若いからとか(笑)。

――(笑)、でも今はそうやって大人になられて、それじゃダメだっていうふうに思って作られたからこそ、このアルバムですよね。

石野田:そうです。

――まずこのアルバムのタイトルである「60億の涙」について教えて頂こうと思うんですけれども。

石野田:たぶんこの世の中で生きている人っていうのはみんな涙を流してるんじゃないかなって思うんですね。
こうやって取材してもらっている今もどこかで涙を流したり、泣いたりしている人がいると思うんです。

涙の中にはいろんな種類があって、悲しいだけじゃなくて悔し泣きもあれば、嬉しいことがあって嬉しい涙を流してたりする人もいると思うんですよね。
でも涙が流れるっていうことは何かそこですごい大きな出来事があったり、心が揺さぶられるような出来事がことがあったりすると思うんです。

涙を流すとそこから何か人生がちょっと変わったりとか、例えば甲子園とかで負けて悔しくて泣いたら、またそこから人生が変わって行くじゃないですけど、来年頑張ろう!だったりとか様々な気持ちになったりするんじゃないかなって。
涙が何か変わるきっかけになるものなんじゃないかなって思うんですよね。

やっぱりこのアルバムも何かそんなふうに聴いてもらえたら良いなっていうのがあって、「60億の涙」とタイトルを付けました。

――最初、60億ってあまりに多い数なのでちょっとビックリしちゃったんですよね(笑)。

石野田:(笑)、そうですね。 実際にはキッチリじゃないですけど、世界の人口が60億人でみんなそれぞれ涙があるっていう想いも込められていたりします。

――そうやって聞くといろんな人達にむけて作られているのかなという感じがしますね。

石野田:はい。アルバムは12曲入りですけどそれぞれ状況とか歌のテーマがちょっとずつ違ったりするので、でもみんなこういう想いをしてる人もいるんじゃないかなとか、どれかに当てはまって、そこでなにかこう、よし!私もこんなふうに前向きになってみようかなとか、何かそういう変わるきっかけになる歌であってほしいなって思っています。

――アルバムのテーマとして“涙”というのがあると思うんですけど、それぞれの楽曲はその涙のテーマに沿って作ろうと思ったんですか?

石野田:違いますね。

――そうなんですか。

石野田:元から「60億の涙」っていうアルバムを作ろうっていうことではなくて、自分が伝えたいことだったり、こういうふうに感じてほしいなとか、そういう想いを歌にして、これを今聴いてほしいからこのアルバムに収録したという感じですね。

――そうしたらこういういろいろな涙がテーマの楽曲が集まったということなんですね。

石野田:はい。

――すごいですね。お話を伺う前はテーマありきで作品を作られたのかなっていうぐらいまとまっているなと思ったんですよね。

石野田:(笑)、全然テーマは後で、このアルバムを通して見て、どういうタイトルかなって思った時に、さっきお話したように泣いている人はいっぱいいるなって思ったので、このタイトルを付けたんです。

――なるほど納得です。石野田さんの歌ってすごく石野田さん自身もさらけ出している歌詞もあるんですけれど、それが決して独りよがりではないんですよね。例えば私は悲しいことがあったのっていう歌を作っていたとしても、そこでその経験を元にリスナーに対して、こういうふうな聴いてほしいとかこういう気持ちであってほしいっていうのをちゃんと織り交ぜて作っているところがリスナーの心に刺さるのかなと思ったんですよね。

石野田:どうやったら歌が伝わるんだろうとか、自分の中では伝えてるつもりでも相手からしたら何のことかわからないということもたぶんあると思うんですけど、そこを一生懸命考えるようにはなりましたね。
ほんと昔、10年前とかに作っていた時は、自分!自分!みたいな(笑)、私はこう思う!
まぁ、それはそれで良いと思うんですけど、そういう部分では聴いてくれる人がどういうふうに思ってくれるのかなっていうのは考えるようにはなりましたね。

――歌の情景描写がきっちりしていますよね。歌の主人公が列車に乗っていて元カレに偶然に会ってしまうとかっていうのって、その状況をキチンと描いてくれることで、リスナーもその中に入り込めるっていうのがあるのかなと思うんです。今回ってアルバムの制作の中で苦労したりした点とかはありましたか?

石野田:苦労ということではそんなになかったんですけど、最後のボーナス・トラックとして収録している「Say You Say 〜仲間とともに〜」っていう歌があるんですけれど、これは去年、文化庁から依頼で山口県に来年廃校になる高校がありまして、そこの生徒達に何か思い出を残してほしいということで、一緒に歌を作るっていう依頼を受けて、山口県の小さな島に行ったんです。
本当に生徒が19人しかいない学校なんですけれど、スケジュールもタイトだったのでその生徒と触れ合えた期間が2日しかなかったんですよね。

――短いですね(笑)。

石野田:そうなんですよ。1日目がその生徒達と一緒にコミュニケーションをとって思い出の場所などを回って、みんなから出た言葉をメモに残してもらって、すぐ次の日に私が歌にして発表するみたいな。

――本当にタイトですね。

石野田:そうですね(笑)、もうほんとに何とかして作らなくちゃいけないと思って、徹夜で一人一人の言葉をなるべく壊さないようにと思って気持ちを拾って。

――それはすごい大変でしたね。

石野田:自分の中でもすごい不安でしたね(笑)。
出来ないかもしれないみたいな気持ちだったんですけど、でもやっぱり生徒達に何がしてあげられるかなって考えて、やっぱりみんながわぁ!良いねって歌いたくなるようなそういう歌を作るのが喜んでもらえることかなって思ったので、自分なりに一生懸命に作って、そして次の日みんなに披露して、歌を覚えてもらって一緒にコーラスとかして歌った歌なんです。

自分の中でもとても思い入れのある歌で、今年の3月に卒業式でも学校にお邪魔して一緒に歌ったりしたんですよね。
それは来年で廃校になって学校も無くなってしまうという中でみんなの気持ちとか、少子化も進んでいて全国にそういう学校もだんだん増えて来ているので、学校が無くなってしまうという人も少なくないと思うんです。
だからそういう気持ちを歌に残したいなって気持ちがあって、今回ボーナス・トラックっていう形で収録したんです。

――そんなに大変な状況で作られたとは思わなかったですね。

石野田:(笑)、そうですね。
自分の気持ちとかはいつも歌にするんですけど、誰かの言葉とかを歌にするっていうことも初めての体験だったし、時間も一晩しかないっていうのも初めての体験でしたね(笑)。

――1週間くらい行ってたのかなって思ってたんですけどね(笑)。

石野田:(笑)、いえ実は全然違ったんですよ(笑)。

――やっと生徒さん達と慣れてたと思ったら作る準備を始めなきゃいけないみたいな。

石野田:最初はちょっと人見知りししてて、なかなか心を開いてもらえなかったりっていう感じだったので、最初は自分の中で何のために来たんだろうっていう葛藤があったんですけど、歌を作ったんだよって話をしたらやっとそこでみんなと心が通い合ったっていう感じですね。

――きっと後から曲を聴いてあの時に作ったなって生徒さんには一生の思い出になりますよね。

石野田:そうですね。なってくれたら嬉しいし、また同じように学校が無くなっちゃうって思っている人達にも届けたいなって思ってアルバムに入れました。

――では石野田さんにとっても新しい経験で勉強になった感じですね。

石野田:そうですね。

――いつも曲を書かれる時はこういうふうものを作ろうっていうある程度テーマが見えたところから作り始めるんですか?それとも何となく気持ちを吐き出して書いてるうちに曲が出来上がるタイプの方なんですか?

石野田:基本的には何か自分にとって大きな出来事があった時とかに歌が生まれますね。 「永遠」とかも本当に昔の彼と再会したことで何か自分の心の中で揺れ動いて、その気持ちが残ってたので歌がすぐ書けたりしましたね。

――では自分の中で大きな何かがあった時にそれを作ってしまうみたいな感じなんですかね。

石野田:そうですね。そういう方が多いですね。
あとは世の中のこととか友達と話してて、みんなこういうふうに思ってるんだなって実感したことをヒントにして歌が出来たりしますね。

――さー!作るぞー!っていうよりも自然と作ってしまう感じなんですかね。

石野田:割とそういうタイプだとは思いますね。

――「永遠」もすごいドラマのようなシチュエーションですよね。

石野田:元々は電車の中では再会はしてないんですけど、それを言い出すとたぶん伝わらない歌になってしまうなと思って、以前に電車の中で友人達と再会したこともあったので、そこは設定を変えたんです。実際には全然違う場所で、でも歌と同じように声を掛けられたんですよ。

――そういう経験のある人は結構、多いんじゃないかなって思いますね。

石野田:そうですね。意外と偶然会ったりとか、結婚してたりとかっていうのはないことなのかなって思っていたんですけど、リリースされてblogとかに書いて下さってる方とかラジオにメッセージを寄せてくれたりする方がいるんですけど、自分も同じ経験をしたことがあるとかっていう人がすごく多くて、意外とみなさんも同じような経験をしたりしているのだなと。

――偶然っていうのもすごいですよね。会おうと思って会ったわけじゃなくて声を掛けられてとかって、そういうのって不思議とあるものなんだなって、女性も男性もきっと多いでしょうね。

石野田:そうですね。私は昔付き合ってた人が結婚してしまうっていうケースはあったりすると思うので、そこに共感をして下さる方もいますね。

――心の揺れ具合がすごい上手く書かれているんですよね。

石野田:ハハハ、揺れましたもの(笑)。

――そこの描写がすごく説得力があるなと思って、これはまだそういう経験のない10代の人とかにも大人になって来たら、石野田さんの歌のような経験をする時が来るかもしれないですからね。

石野田:そうですね。ちょっと恋愛経験をして来た人の方が共感してもらえる歌なのかなと思いつつ。
でも過去の恋愛を引きずらないっていう人も今つきあってる人ともしこうなったらどうするって想像してもらうと、ハッ、くるわ!ってこの間言われたりしたんですよ。

――なんかこの曲って普遍的だなと思って聴いたんですよね。

石野田:意外と限定してしまうかなって自分の中では思ったりしてたんですけど、そういう部分があるんだなとビックリしましたね。

――すごく近いところで歌われているような気がしますよね。ではこのアルバムを色に例えるならばどんなカラーの作品だと思いますか?

石野田:透き通った水色みたいな感じですかね。 涙の色に近いというか、聴いた後にでもなんだかスッキリするじゃないですけど、ちょっと前向きになるという感じですね。

――どんよりする涙ではなくて泣いた後にスカッとする感じはしましたね。 泣くっていう行為は浄化みたいなところもあるっていうじゃないですか、なのでそういう泣いてスッキリして聴き終わるような余韻を持っていると思うので、透き通った水色っていうのは合っているのかなという気がしますね。

石野田:泣いてもらおうとかどうぞ泣いて下さい!っていうふうには自分の中では思っていなくて、涙ってやっぱり流した後にスッキリしたり気持ちが軽くなったり、よし!もういっぱい泣いたから次に進もうみたいに思えるものじゃないかなって思うんですね。
やっぱり私の歌の中では悲しいことや切ないことを歌ってはいるんですけど、何かどこかに光みたいな、最後は希望があるよというところを心の中に残ってほしいなっていうのがあるので、聴き終わった後ちょっと心が軽くなったりしてほしいなっていう思いはあります。

――なると思います。聴いていて実際になりましたもの。

石野田:あぁ、良かった。

――このアルバムはいろいろなシチュエーションの主人公達が出て来る作品ではあるんですけれども、このアルバムの中に一番込めたかった想いというのはどんな想いだったりしますか?

石野田:最後は前向きっていうことですかね。
泣いている時はもちろん悲しいし、しんどいなって思ったりすると思うんですけど、でも最後は前向きになれるというか、そういうアルバムであってほしいなって思うんですよね。

ただ重たいものが残るだけじゃなくて自分の中で何かが変わるきっかけになったり、例えば歌の中で言えば「ひだまり」っていう曲とかも上京して来てしんどいな・・・みたいなふうに思っている曲だったりするんですけど、例えば同じように今年の春に上京して来て、今そういうふうに思っている人がいたら、もうちょっとこの街で頑張ろうみたいに思えたりとか、「永遠」も別れた恋人のことをすごい大好きだったから苦しいしもうその人のことを忘れちゃいたいとか、出会わなきゃ良かったとか、そういうふうに思ってる人が聴いた後で、でも出会えて良かったのかもしれないとか、マイナスだったものがプラスになってもらえるようなアルバムだったら良いなと思います。

――個人的には石野田さんの声っていうのもそこはすごく重要で、石野田さんの声は透き通ってツヤッとしていてるんです。なので石野田さんに歌われると心を綺麗にしてもらえるような感じがする瞬間があるんですよね。これが例えばもっと違う声質だったらもっとウェットに聴こえたかもしれないし、例えばドンヨリしてしまうかもしれない、だけど石野田さんの声と一緒に聴いていると聴き終わった後もうちょっと頑張ろうかなとか思ったり、良い思い出って思えるかもしれないなって思わせてくれる説得力もあるのかなって思いますね。

石野田:嬉しいです。 やっぱりそこは自分の心が一度、経験したことだったりするから、より伝えられるのかなっていうふうには思ったりはしますね。

――ここは最初の時はしどかったんだなって歌を聴いていて思ったり、でも頑張って乗り越えたんだなっていう結果を作品の中で歌ってもらってるわけじゃないですか。

石野田:はい。

――そうすると、この人はこうやって経験して今こういうふうにあるから歌えているのねっていうところで説得力があるんですよね。
もしかしたら昔だったらこういうふうには歌えなかったかもしれないけれど、今経験して大人になっていろいろなこともあったけれど、今こうやっているのよって歌われると、あっそうなんだって思いますよね。

石野田:そうですね。

――では今回のアルバムっていうのはどんな人達に聴いてほしいなと思いますか?

石野田:歌の内容とかもそうなんですけど、今どこにも逃げ場が無かったり、自分だけで悩みを抱えてたりとか、前に進みたいけど進めないなとか、例えば恋愛で傷ついて、もう恋愛なんかしたくないって思ってる人だったり、仕事や人間関係が上手く行かなくて、もうとっとと諦めちゃおうとか、そういうふうに思ったり、全体を通して何か悩んだりとか迷ったりとかそういう思いを抱いている人に聴いてもらいたいですね。

――たくさんの人に聴いてほしいなと思いますね。では少しアルバムのお話から逸れるんですけど、石野田さんは作品を作る時に一番大切にしていることはどんなことだったりしますか?

石野田:自分が伝えたいことを嘘をつかないように届けたいっていうところですかね。
もちろんさっきもそういうお話になりましたけど、独りよがりにならないで押し付けないというか、どうやったらわかってもらえるかな、伝えられるかなっていうところを大事にはしてますね。

――確かに例えば自分のお部屋の中で歌ってそれで良いんだったら、お家で歌っていたって良いわけじゃないですか、でもここに届けたいっていう想いがあるからこそ、こういうふうに人の前に立って歌ったりっていうのはありますよね。

石野田:ありますね。

――石野田さんにとって歌を作ることや歌うことっていうのはどういうことだったりするんですか?

石野田:自分を伝えることでもあるし、聴いて下さる方と繋がれるものだと思うですよね。
私は私で生きていて、みなさんにはみなさんの人生があって生きているわけじゃないですか、悲しんだり悔しく思ったり涙を流してる人がいるっていう中で私はその人の側にずっと居られないですし、やっぱり泣いてる人がいたら助けたいなとか手伝いたいなとか思うけど、それは全員には出来ないわけじゃないですか。

でも歌だったら側に居られるような気がするんですよね。
その人が必要な時に聴いて、ちょっと元気になってくれるかもとか。
実際は直接的には繋がってないけど、でも繋がれる何かみたいなものだと思います。

――石野田さんの歌がCDやライブを観て伝わってくるのってそういうところなのかもしれないですね。第3者に対して向けてキチンと発しているっていうところは自然とスルッと歌が入ってくる所以のなのかなって気がします。ではプライベートなお話を少し伺おうと思いますが、石野田さんは自分自分を客観的に見たらどんなタイプの人だと思いますか?

石野田:負けず嫌いなのかもしれないなと思います。
今まではそういうふうにはあまり思ったことがなかったんですけど、でもやっぱり諦めたくないっていう気持ちはすごく強くあるんだなっていうふうに。

今メジャー再デビューという形になりましたけど、インディーズで8年間活動している間とかも、やっぱり何かこう諦めたくないっていう気持ちがあったりして、もちろん応援してくれる人がいるから頑張れたっていうのもあるんですけど、そういう意味では諦めないっていう才能みたいなものはあるのかなみたいなふうには思いますね。

――なるほど、諦めないでくれたから今このアルバムが出来たわけですよね。諦めないで良かったですよね。

石野田:本当に良かったと思いますね。割と最近、世の中の風潮ではダメだったらすぐ諦めるとか、合わなかったらすぐ転職するとか、なんかすぐ諦めちゃう人が多いような気がしていて、もちろん諦めて次が上手く行けばその諦めは成功だったと思うんですけど、でも続けたらもっと自分が変われたり成長出来たり、人の輪が広がって行ったり、違う未来になったりするんじゃないかなっていうふうに、それは自分の活動としてすごく思うんですよね。

諦めないで一生懸命やれば見ててくれる人もいると思うし、本当にやりたいことだったらやっぱり続けた方が良いんじゃないかなすごく思います。

――そういうふうに見せてくれる人がいたらまた頑張ろうかなって思う人も増えてくるかもしれないですよね?

石野田:私が一旦そういう失敗であったり挫折みたいなものがあったからこそ伝えられるんじゃないかなって。
順風満帆ではないよと。
イヤなことも悲しいこともどん底とかそういうものはいっぱいあったけど、でも一生懸命やったり頑張れば、目指しているところに行けたりするんだよ。
こんな普通な人間でも出来るんだよっていうところは感じてほしいかなと思います。

――その結果というか生き様は重いですよね。

石野田:(笑)。

――そういうことがなくてでも頑張れば夢は叶うんだよ!って言われても。

石野田:説得力がないですよね(笑)。

――そこでいろいろあったけれどもっていう実際に生き様を見ている人とかだと頑張ったら例えば良いことがあったり、一回ダメでも出来るんだって思えるじゃないですか。

石野田:そうですね。

――結果を見せてくれる人がいるわけですからね。やっぱりそれは重いと思いますよ。またそこで歌を作ろうと思う人もいるかもしれないですしね。

石野田:お手紙とかで頂くんですけど、先生になろうと思って毎年試験を受けてるけど、もう9回落ちましたとか、でも私の歌を聴いてやり続けて今年やっと先生になることが出来ましたとか、そういう話を聞くと、良かった!みたいな(笑)。
やっぱり諦めないで夢を叶えてもらえた方が私も嬉しいですし、その人自身が何より頑張って来た分報われるんじゃないかなって思うんですよね。

――良い話ですよね。自分も頑張ろうと思いますものね。

石野田:思いますね。

――石野田さんは負けず嫌いなタイプなんですね。

石野田:だと思います。諦めないですね、恋とかも(笑)。

――あっ、そうなんですか(笑)。

石野田:恋とかも割としぶとく行きますね(笑)。

――そうなんですね!

石野田:はい(笑)。

――見えないですね。

石野田:ほんとですかー!?もう全然ですよ(笑)。

――じゃあ、アタッカーなんですね(笑)。

石野田:アタッカーですね。1回告白してフラれたぐらいじゃ諦めませんね。

――なるほど!それは多くの世の中の女子に勇気を与える言葉ですね(笑)。

石野田:ハハハ、最低3回は告白した方が良いよと言ったりするんですけど(笑)。

――これはもうちょっと強調しないとダメですね。まず3回っていう。

石野田:まずは3回、やっぱり1回目だと「あ、そうなんだ」って終わっちゃったりすることもあるけど、2回、3回と続けて行くと、「まだ好きでいてくれるんだ」って「もしかしたらずっと好きでいてくれるかもしれない、そんなこの娘が好きかもしれない!」みたいな。

――あー、なるほど!(笑)

石野田:だんだんそういうふうになったりとか。

――そうなんですね・・・。

石野田:はい、そう思いますね。

――なんか参考になりそうですね。

石野田:参考にしてほしいですね。

――(笑)、なんか意外な一面をいっぱいお伺いした気がします(笑)。

石野田:ホントですか(笑)。

――はい、これからますますいろいろな面を見てみたいなと思いましたね。それでは今後はどんな音楽を作って行きたいなという展望がありますか?

石野田:これからも変わらずに自分が伝えたいことはどうやったら伝わるかなっていうところは重点的に考えては行きたいと思ってるんですけど、世の中にはいっぱい音楽があって、テンションを上げる曲だったりとかウォーキングの時に使いたい曲とかリラックスしたい時に聴きたい歌とかいろんな歌があると思うんですけど、私は困ったり悩んだり、一人で何か抱えてる時に思い出してもらえる歌を作りたいなって思います。

――なるほど、今後ミュージシャンとして叶えたい夢を教えて頂けますか?

石野田:叶えたい夢は大きく出るともっとたくさんの人に聴いてもらって、そして自分のことを知ってもらって、行く行くは人のためになるようなことをしたいなって思ってるんですよね。 チャリティーや誰かの役に立てたら良いないうのが自分の中では大きい目標ですね。

――それでは私達はその夢を見守って行こうと思います。

石野田:頑張ります。

――では最後にみなさんに向けてメッセージをお願いします。

石野田:このアルバムを聴いて何か感じたり、何か変わるきっかけにしてもらえたら嬉しいです。これからも心に響く前向きな気持ちになれるような歌を丁寧に届けて行きたいと思っているので、ぜひ聴いて下さい。

――ありがとうございました。

石野田:ありがとうございました。

(text by takahashi)


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