恋をした人が、自分の1番大事な友人の好きな人だった。 主人公が真面目で大人しい子なゆえに友人の気持ちを優先してしまい…でも、自分の中の気持ちに嘘を重ねていくのも辛くて… その上、のちに友情にヒビが生まれていく過程も切ない設定でした。 自分が思っている本当の気持ちを秘めているだけでは、良くも悪くも前進出来なくて現状も変わらない。怖くても、心に正直になって一歩前に進む勇気が、未来に新たな道を築き上げる大切なステップなのだと改めて考えさせられました。 前作『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』の主要キャラクターもリンクしているので、またそちらを読み返したくなりました。 汐見夏衛さん作品の本は、ある種の規則性があるような、統一されたリズム感のある各章のタイトルの付け方も素敵で見所だと思います。
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商品説明
―なんてきれいに空を跳ぶんだろう。高1の遠子は、陸上部の彼方を見た瞬間、恋に落ちてしまう。けれど彼は、親友・遥の片思いの相手だった...。人付き合いが苦手な遠子にとって、遥は誰よりも大事な友達。誰にも告げぬままひっそりと彼への恋心を封印する。しかし偶然、彼方と席が隣になり仲良くなったのをきっかけに、遥との友情にヒビが入ってしまう。我慢するほど溢れていく彼方への想いは止まらなくて...。ヒット作『夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく』第二弾、待望の文庫化!