商品説明
故郷をおん出て何十年、他国に流離で十何年、親も夫も子も危機で、死と老いと病とが降りかかる。それでも生き抜く伊藤しろみ。この苦が、あの苦が、すべて抜けていきますように。本書は詩であり、語り物であり、また、すべての苦労する女たちへの道しるべである。紫式部文学賞、萩原朔太郎賞をダブル受賞。
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収録内容
1 | 伊藤日本に帰り、絶体絶命に陥る事 |
2 | 母に連れられて、岩の坂から巣鴨に向かう事 |
3 | 渡海して、桃を投げつつよもつひら坂を越える事 |
4 | 投げつけた桃は腐り、伊藤は獣心を取り戻す事 |
5 | 人外の瘴気いよいよ強く、白昼地蔵に出遇う事 |
6 | 道行きして、病者ゆやゆよんと湯田温泉に詣でる事 |
7 | 舌切らず、雀は婆を追い遣る事 |
8 | 梅雨明けず、母は断末魔に四苦八苦する事 |
9 | ポータラカ西を向き、粛々と咲いて萎む事 |
10 | 鵜飼に往来の利益を聴きとる事〔ほか〕 |
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