晴れた日に

[松竹 新三羽鳥傑作集～高橋貞ニ ベストセレクション～] 今日出海の新聞連載小説の映画化作品。大庭秀雄が微妙な恋愛心理を鋭く描いたロマン大作。政治家・酒井忠良(柳永二郎)の一人娘・香澄(有馬稲子)は、ある晴れた日の午後、父の静養先である軽井沢の別荘を訪れる。迎えたのは父の満州時代の親友・佐竹(笠智衆)という老人で、今は同家の執事として働いている。彼は敗戦の時に戦死と誤報され、妻は狂死し、一人娘とも生き別れになっている気の毒な境遇だった。香澄は父のゴルフ仲間である青年実業家の鷲尾謙吉(佐田啓二)との縁談を承知したばかりだったが、この縁談に政略結婚のにおいを感じて反発していた。そんな彼女は別荘仲間の古河優子(杉田弘子)やその母親にゴルフを教えていた早見三一(高橋貞二)という青年に心惹かれ、積極的に近づいていくのだった・・・。