FUSION BEST コレクション 1000 第二弾 個人的オススメ3枚

フュージョンというよりブルース・ソウル・R&B系のギタリスト。
レイ・チャールズ、アレサ・フランクリン、ダニー・ハザウェイ、マライア・キャリーなどソウルからポップス系の多くのシンガーの作品にクレジットされています。スタジオ・ミュージシャンで結成されたバンド「スタッフ」のメンバーとしても知られています。
速弾きなどの超絶テクニックを聞かせる人ではなく、音数は少なく独特のタイム感とフレージングでグルーヴを生み出しています。その仕事ぶりは熟練した職人のようで、One and Onlyなギタリストと言えるでしょう。 コーネルがギタリストとして仕事を始めたころに所属していたバンドにジミ・ヘンドリックスがいたことがありました。お互いギタリストとして尊敬しあい、影響しあったようです。その後の二人の道を考えると興味深いエピソードですね。

本作は74年に発表されたファーストソロアルバム。今までの彼の関わってきた音楽が凝縮されたような作品です。滑らかな運指による極上のギターが楽しめます。
そして、この作品のもうひとつの聞き所はドラムスのバーナード・パーディ、ベースのチャック・レイニーという強力なリズム隊が入っていることです。スタッフのナンバーでもあるHow Long Will It Lastが収録されていますが、スタッフ版と聞き比べてみるのも面白いのでは。

残念なことに2011年5月8日、コーネル・デュプリー氏は帰らぬ人になりました。68歳でした。

実力派ボーカリスト、ディー・ディー・ブリッジウォーターの前作「ジャスト・ファミリー」に続くR&B/フュージョン路線の作品。
前作はスタンリー・クラークのプロデュースでしたが本作のプロデューサーはジョージ・デュークという豪華さ。もちろんジョージの選んだミュージシャンも当時のトップが勢ぞろい。これも1979年という時代だから可能だったのでしょう。現代ではつくれない音楽だと思います。
心躍るファンキーチューンからメロウチューンまで、どれもツボを抑えたアレンジと演奏にディーディーの圧倒的な表現力と歌唱力の声が加わり素晴らしい作品になっています。
ハイライトはファンキージャズの大御所ラムゼイ・ルイスの曲に歌詞を付けた「テキーラ・モッキンバード」。ぞくぞくするような進行に鳥肌が立ち、ブリッジで歌い上げるディーディーのボーカルが心を大空に開放したような気分にさせてくれます。
その後、ディーディーは静かにジャズの世界に帰り、ビリー・ホリデイのトリビュートアルバムの制作やアフリカに出かけ現地のミュージシャンと作品をつくるなど勢力的に活動しています。今年の5月には来日もしました。

キャンディーズの曲ではありません(笑)。原題は「Straight From The Heart」。キーボード奏者&ボーカリスト、パトリース・ラッシェンの1982年の7枚目のアルバム。このシリーズ第一弾に続きまたしてもパトリース推しです。
このアルバムは彼女の代表作と言ってよいでしょう。それは「Forget Me Nots」「Remind Me」という2大ヒット曲が収録されているからです。グルーヴはそのままでよりキャッチーでポップな曲作りになりポップチャート、R&Bチャートでも上位にランクインしました。シークエンサーなど新しい手法も取り入れ、彼女のクールなボーカルを引き立てています。
90年代にはDJたちに再評価されサンプリングされた曲が多く作られました。その数は数え切れないぐらいで、メアリー・J・ブライジ「You remind me」、フェイス・エヴァンス「Falling In Love」、ウィル・スミス主演の「メン・イン・ブラック」のテーマ曲などがあります。オリジナルのパトリースのバージョンも再ヒット。今でもフロアを賑わせています。