我々はどう生き延びるか

12月に入り、いよいよ冬本番。雪、降ってますか?

極寒の大地に取り残され、吹きつける風と凍てつく孤独の中で「生き延びる」ことだけを考える。極寒サバイバル映画は、単なるアクションでもパニックものでもなく、極限状態の中でむき出しになる人間の本質を、時に静かに、時に激しく描き出します。

今回はそんな極寒サバイバルをテーマにした映画をご紹介。こたつに入りながら堪能しましょう。


女性首相
まず、心が折れますね

レヴェナント:蘇えりし者

実在した罠猟師ヒュー・グラスの極限サバイバルを描いた大作。レオナルド・ディカプリオが念願のアカデミー主演男優賞を獲得した作品で、音楽は当時すでに闘病中であった坂本龍一が担当しています。

息子を殺された怒りと復讐を胸に、負傷しながらも極寒の地を這いずり回る主人公の執念は圧巻。凍った川に入り、生肉を喰らい、動物の死体の中で眠る等、その壮絶な苦闘と生への執念を観客に皮膚感覚で叩きつけます。

生きてこそ

1972年にアンデス山脈で実際に起こったウルグアイ空軍機遭難事故の衝撃的な実話に基づいた作品。

ウルグアイのラグビーチームを乗せた飛行機が雪深いアンデス山脈に墜落。極寒のなか救助も期待できず外部との接触が途絶え、怪我をかかえて食料も尽きた絶望的な状況下で、彼らが生き延びるために下した「究極の選択」とは。

己の宗教観との葛藤に苦しむ、重く、議論を呼ぶ決断を迫られ、なお「生きること」への希望をどれほど手放さずにいられるのかを静かに描いています。

シャイニング

ジャック・ニコルソンの怪演が永遠に語り継がれる不朽の名作。

雪に閉ざされたオーバールック・ホテルを舞台に、小説家志望のジャック・トランスが管理人として家族と滞在する中で、閉塞感と超常現象によって徐々に狂気に蝕まれていきます。

外界との断絶、終わらない吹雪、寒さと静寂、登場人物とホテルに潜む超常現象が心理的恐怖を増幅し、極限状態における人間の崩壊を「精神のサバイバル」として静謐な映像とジャック・ニコルソンの演技によって描いています。

八甲田山

高倉健主演、1902年の「八甲田雪中行軍遭難事件」を史実に基づき描いた日本映画の代表作。

極寒・猛吹雪・装備不足という三重苦が、組織の慢心と判断ミスによって悲劇へと変わる様を丁寧に追います。極限の自然環境、指揮系統の崩壊、死へと向かう行軍の緊迫感、そのすべてがリアルで、極寒サバイバル映画として非常に高い完成度となっています。

なお、撮影は事件当時とほぼ同じ気象条件の元、雪の八甲田山で行われ、実際に逃げ出す俳優が出るほど過酷なものだったそう。

南極物語

こちらも高倉健主演。「タロとジロの奇跡」の実話に基づき、南極観測隊が無人の昭和基地に置き去りにせざるを得なくなった樺太犬15頭の、南極での壮絶なサバイバルを描き出した作品。

人間ではなく犬たちのサバイバルを描写しているというのがユニークな点。極寒、飢餓、氷に閉ざされた海原という極限状態のなか、犬たちが群れを成し、アザラシを捕食し、氷の裂け目を乗り越え必死に生き抜きます。やがて、氷海に呑まれたり、シャチに襲われるなどで一匹一匹と仲間が減っていって…。

犬を置き去りにしたことによる世間からのバッシング、1年後に戻った昭和基地で生存していたタロとジロとの再会。人間側の苦悩と犬たちの純粋な「生への執念」の対比もまた、本作の見どころであります。