ディス・イズ・ユア・ライフ

ミュージシャンとしてのキャリアをスタートさせた50年代中盤から実に半世紀以上にわたってヘヴィ・メタル/ハード・ロック・シーンの王道を歩み、軽々と世代を超えて数多の後進たちに大きな影響を与え続けてきた稀代のヴォーカリスト、ロニー・ジェイムズ・ディオ。最期の瞬間まで勇敢にガンに立ち向かい、天に召されてもなおまばゆい輝きを放ち続ける彼の偉業の数々は、今も世界中のファンを勇気づけて止むことがない。

積み重ねられた鍛錬により、晩年に至るまで全盛期の強度を保っていた天賦の美声。怒りも悲しみも、力強さも繊細さも驚くべき鮮やかさで自由自在に描き出してみせた類まれな表現力。家族やバンドのメンバーと同じように、ファンやスタッフ、そしてプレスなどにも温かい気遣いを絶やさなかった愛情あふれる人柄。ヘヴィ・メタル・シンガーたるべき資質をすべて持ち合わせていながら、神に与えられた才能に慢心せず、常に自らに挑戦を課し続けた誇り高いアティテュードもまた、彼を伝説たらしめた要因のひとつだった。

あれから4年――。陰に日向に巨星の活躍を支えてきた奥方でマネージャーのウェンディ・ディオのプロデュースにより、ロニーの輝かしい功績をたたえる最高のトリビュート・アルバムがリリースされる運びとなった。タイトルは『ディス・イズ・ユア・ライフ~ロニー・ジェイムズ・ディオ・トリビュート』。言うまでもなく、1996年に発表されたディオの7枚目のオリジナル・アルバム『アングリー・マシーンズ』に収録されている叙情的なピアノ・バラードから取られたものだ。

ファンなら先刻ご承知のとおり、彼のトリビュート・アルバムはこれまでにも何枚か発表されてきた。が、このたび企画された『ディス・イズ・ユア・ライフ~ロニー・ジェイムズ・ディオ・トリビュート』は、あらゆる点でそれらを凌ぐものとなっている。(収録曲の詳しい内容は、ページ下部のトラックリストをご参照ください)

まず挙げるべきは、やはり参加したバンド/アーティストの豪華さだろう。ヴィニー・アピスやクレイグ・ゴールディ、ルディ・サーゾをはじめとするディオの歴代メンバーたちを筆頭に、スコーピオンズやモーターヘッド、ロブ・ハルフォード、グレン・ヒューズ、メタリカといった歴戦の大御所から、キルスウィッチ・エンゲイジやストーン・サワー、ヘイルストームといった近年の実力者、さらには俳優としても有名なジャック・ブラックを擁するテネイシャスDなどまで、世代を超えてここに集結した顔ぶれの華やかさは、明らかにこれまでの比ではない。

さらにまた、彼らの持ち寄った楽曲が、ディオ名義の作品ばかりでなく、レインボーやブラック・サバスのナンバーにまで及んでいる点も見逃せないところだ。企画が特別なものであればあるほど、いわゆる“大人の事情”という厄介な事情も絡んできそうなものだが、さすがはウェンディ女史によってプロデュースされた本作、企画の肝を一切損なうことなく、ロニーの栄光の軌跡を数々の代表曲と共にしっかりと辿ることができる。

エルフ、レインボー、ブラック・サバス、ディオ、ヘヴン・アンド・ヘルなど、さまざまなバンドと共にたくさんの珠玉のマスターピースを送り出し、ヘヴィ・メタル/ハード・ロック・シーンの発展に多大な貢献を果たしたロニー。彼の歌声はこれから先もずっと、世界中のファンの心を震わせ、感動をもたらし続けてくれることだろう。ロニーの魂よ、永遠なれ!

トラックリスト

1. Neon Knights (Anthrax)
2. The Last In Line (Tenacious D)
3. The Mob Rules (Adrenaline Mob)
4. Rainbow In The Dark (Corey Taylor, Roy Mayorga, Satchel, Christian Martucci, Jason Christopher)
5. Straight Through The Heart (Halestorm)
6. Starstruck (Motorhead with Biff of Saxon)
7. Temple Of The King (Scorpions)
8. Egypt (The Chains Are On) (Doro)
9. Holy Diver (Killswitch Engage)
10. Catch the Rainbow (Glenn Hughes, Simon Wright, Craig Goldy, Rudy Sarzo, Scott Warren)
11. I (Jimmy Bain, Oni Logan, Rowan Robertson, Brian Tichy)
12. Man On The Silver Mountain (Rob Halford, Vinny Appice, Doug Aldrich, Jeff Pilson, Scott Warren)
13. Ronnie Rising Medley (featuring A Light in the Black, Tarot Woman, Stargazer, Kill the King) (Metallica)
14. This Is Your Life (Dio)
+日本盤ボーナス・トラック

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