モーツァルト: フリーメイソンの音楽集

1784年にフリーメイソンに入会したモーツァルトは、多くの友人とインスピレーションを得て、活動も積極的に行い、会員のための音楽も10曲ほど作曲している。中でも知られているのが「フリーメイソンのための葬送音楽」で、これはモーツァルトが敬愛していた2人の会員の死を悼んで作曲され、告別式の際に演奏された作品。約8分ほどの短いグレゴリオ聖歌を含む古い様式を用いた厳格な作品で、普段のモーツァルトとは思えないほどの悲痛な雰囲気を有している。他の声楽曲は、メンバー同士で歌うことを想定されて書かれており、とりわけ最晩年の作品であるカンタータK623はとびきりの美しさと荘厳さを湛えている。