クレメンティ: ピアノ・ソナタ集

モーツァルトと同じ時代に活躍したイタリア生まれのクレメンティ。1780年には実際にモーツァルトにも会い、ピアノの腕を競っている (モーツァルトはクレメンティの技術は認めたもものの、音楽性に関しては酷評したとされる)。その後、クレメンティはイングランドを拠点とし、演奏家、教師、ピアノ製作、楽譜商として八面六臂の活躍をし、多くの弟子も育て上げた。現在クレメンティは、練習曲や簡単なソナチネの作曲者として知られているが、彼のピアノ・ソナタはまるでオーケストラを伴う協奏曲のような幅広い表現力と、技巧が要求されたものが多く、時にはベートーヴェンのソナタにも匹敵するほどの完成度を誇る。