カスタルスキー: 永遠の記憶

2018年11月11日は第一次世界大戦が停戦して100年目の日となる。かつて"全ての戦争を終わらせるための戦争"と呼ばれたにもかかわらず、世界中で7,000万人が従軍し、民間人も含めた1,600万人が死傷するという悲惨な結果となった。20世紀初頭にロシアで活動したカスタルスキーは、この戦争の犠牲者のために"レクイエム"を書くことを思い立った。当初はラテン語を用いたオルガンと合唱という編成で考えられていたが、編成をオーケストラと合唱に変え、一旦は壮麗な作品が出来上がった。その上で、ロシア正教会でも演奏できるようにというカスタルスキーの強い願いから、ここに収められた、オーケストラを用いることのない「アカペラ・ヴァージョン」が作られ、こちらは1917年に出版された。2018年1月に世界初録音されたこのアルバムは、戦争終了後100年を経て、カスタルスキーが抱いた"平和への祈り"を実現している。 [演奏] スティーヴン・フォックス (指揮)、クラリオン合唱団