サラエボ、希望の街角

戦争によって変わってしまった美しい街サラエボ。この街はどのようにしてかつての歓びを取り戻せるのか――。監督は、長編第一作『サラエボの花』が2006年ベルリン国際映画祭金熊賞に見事輝いたヤスミラ・ジュバニッチ。1974年、サラエボに生まれ、紛争の最中に多感な十代を過ごしこの街が破壊されてゆくさまをつぶさに見てきた。『サラエボ、希望の街角』は、現代のサラエボに生きる若く美しい女性ルナの愛の行方を通して、過酷な紛争の記憶が今なお残るサラエボのすすむべき未来に目を向けた待望の新作。 サラエボのアパートで同棲生活を送るルナとアマルは、結婚を前提に交際している若いカップル。キャビン・アテンダントとして空を飛び回る快活な女性・ルナは、一刻も早くアマルとの間に子供が授かる事を望んでいた。そんなある日、アマルが勤務中に酒を飲んでいる事が発覚し、停職処分を受けてしまう。またルナは医者から、妊娠見込みが厳しい身体である事から、人口受精を進められ、さらなる悩みの種を抱える事になる。失意のルナの心配を余所にアマルは、次の仕事を見つけアパートを飛び出してしまう。だがその仕事場は、イスラム原理主義者が集うキャンプ場であった。数週間後、サラエボに戻ってきたアマルだが、宗教に傾倒したその姿は、以前とは全く別人のようになっていた。ルナは、そんなアマルを理解しようと努め、心の溝を埋めようとするのだが・・・。

予告編