III

リンドストローム&プリンス・トーマス11年振りとなる盟友コンビが復活! ジャジーな空気感を大事にしたエレクトロニックサウンド。相変わらず独自のサウンド世界を作り上げる両者。今作は、テクスチャーと複雑さを持った広大で甘美なエレクトロニック・ミュージックであり、奇抜なアイデアを表現しながらリスナーを奥深くに引き込んで行く。『II』のリリース以来多忙を極めた両者による音源制作はファイルをやり取りしながらゆっくりと着実に進められた。Lonnie Liston Smithのゆったりとしたジャズと霞んだ雰囲気をイメージに持ちながら制作された楽曲はジャンルにとらわれないエレクトロニック・ミュージックを想起させる繊細で細部に魂が込められた作品へと仕上がった。顕微鏡で覗き込むような感覚で聴くと、音にズームインすればするほど、肉眼 (この場合は耳)では生命と運動エネルギーに満ちた環境を目の当たりにする。