LIFE IN A DAY 地球上のある一日の物語

2010年7月24日。命が生まれ、消え、人々は笑い、泣き、絶望し、祈り、はしゃぎ、そして悩む。何でもない一日。それは二度と来ない瞬間。本作は世界中から寄せられた視聴者のビデオから構成されている。そこに映るのは、スターでもなく、アーティストでもなく、絶景でもなく、我々が顔を上げればすぐに見られる風景。病の床から冷静にカメラを見つける末期患者、屠殺場の業務、恋人たちの語らいやケンカ、初めてのひげ剃り、子供たちの笑顔、親たちの苦悩、祝祭、祈り・・・。世界最大級の音楽イベント「ラブパレード」で将棋倒しにより21人が死亡、500人以上の負傷者が生まれるその地球の裏側で、妻に先立たれ幼子を育てる父親の日常が繰り広げられる。『ディープブルー』『アース』を思わせるドラマティックな構成の中で、観客はいつしか自分の日常を投影し、本作の力強いメッセージに、勇気をもらう。本作は、今や世界最大のメディアとなったYoutubeの呼びかけにより始まった作品。これまでの映画の常識を覆す、カメラマン=素人、出演者=何の特技も持たない素人、の映像。企画の成り立ちから考えると皮肉なことではあるが、その映像はアカデミー賞監督と世界的巨匠の手に掛かり、小さなパソコン画面ではなく、映画館の暗闇の中で鑑賞するにふさわしい、マジカルな映像として生まれ変わった。

監督インタビュー、未公開シーン集、他