ブラームス: 《ドイツ・レクイエム》

厳粛・崇高な美しさに心が満たされる、聖フローリアンでのドイツ・レクイエム。 ――聖フローリアン修道院の美しい景観の中、名門クリーヴランド管弦楽団が演奏するドイツ・レクイエム。映像で見ると一層厳粛な雰囲気が伝わってきます。指揮は2002年からクリーヴランド管弦楽団の音楽監督を務めているウェルザー=メスト。2022年まで契約延長を発表していることからも、相性の良さがうかがえる名コンビです。ぴんと背筋の伸びたウェルザー=メストの立ち姿と、そこから生まれる端正な指揮ぶりが印象的。クリーヴランド管が持つ豊かな音色のパレットを生かしつつも、コントロールの行き届いた引き締まった演奏を繰り広げています。キーンリーサイドのくっきりと朗々たる歌唱、ミュラーのやわらかく幻想的な歌唱、そして教会に響き渡る清らかにして迫力ある合唱。三者三様の歌が大きな音楽の流れの中に統合され、オーケストラと共に豊かな残響を伴い空間を満たしていく感覚がたまりません。