パリ・オペラ座バレエ「コッペリア」

■ 古典作品の新演出で独自の世界を表現してきたパトリス・バールは、機械人形「コッペリア」にどんな仕掛けをするのだろうか。 ■ バールは原作「砂男」の幻想と狂気の世界に立ち戻った。物語の軸となるのは、かつて愛した女性のイメージに命を与えようとする謎めいた中年男コッペリウス。恋人がいながら彼に惹かれたスワニルダは、彼を助ける老学者スパランツァーニから鍵を受け取りコッペリウスの工房へ。そこにあったのは・・・ ■ ジョゼ・マルティネズが、ダークスーツを苦ともせず、もう若くない男の陰影と色気をあますところなく踊りつくした。どんな難しいステップも彼が踊ると楽そうに見えてしまうのだが、その優雅さと気品が最高のコッペリウスとなって表現されている。 ■ 一方の若く活気にあふれた恋人たちにはドロテ・ジルベールとマチアス・エイマン。ドロテが素晴らしい脚さばきで人形のまねをして見せれば、マチアスは優雅なジャンプと回転で若者らしさを体現した。 ■ 蝶や人形、麦の穂、ドアの鍵など古典にも登場するモチーフが、バールの世界ではどんな役割を担うのか。コッペリウスは想いを遂げられるのか・・・新版ならではの演出も見どころ。 ◇ 本編95分 + 特典29分 / 映像特典収録 / 収録年:2011年3月 / 収録場所: パリ・オペラ座 ガルニエ宮

キャストギャラリー、ドキュメンタリー「コッペリアの秘密」 (約29分)