ムジカ・ヴィーヴァ・ミュンヘン Vol.8

ピアノの88鍵のうち、53鍵の弦に"あらかじめ"異物を挟み込んで独特な音を得るという"プリペアド・ピアノ"。ジョン・ケージが考案したこの楽器からは様々な音色が引き出される。この1958年に書かれた協奏曲は"禅の思想"が反映されたユニークな作品。ピアニストのための楽譜は63ページで構成され、全部でも部分的にでも演奏可。もちろん順序も演奏時間も任意だが、全体の構成は指揮者によって変更され、また、ケージの他の作品を一緒に組み合わせて演奏することも可能という、まさしく偶然性の音楽で、演奏されるたびに驚きがもたらされる。