鉄砲伝来記

[角川シネマコレクション2018年 6月度: 若尾文子特集] ひとつの恋が、一挺の鉄砲が、日本の歴史を塗り変えた! 南海の島に無限の感動を呼ぶ伝来秘話! ――天文十二年八月二十五日の朝、種子島近海を襲った台風のために一隻の大船が種子島西之浦に漂着。種子島時尭は早速異国人を館に招き、ポルトガル船船長ピントオと知り合った。その時、彼が手に構えた鉄の捧が轟然と火を吐き、遠くの石燈籠を撃ち砕いたのには、時尭もさすがに肝をつぶした。金百両で時尭はこれを買うとすぐ、刀工の八坂金兵衛に模造を命じた。金兵衛は弟子と共に鉄砲作りに邁進しだが、二度三度失敗し、筒元が破裂して重傷を負った。加えて大切な預りものの鉄砲まで盗まれてしまった。絶望に暮れる金兵衛は切腹をはかったが、娘・若狭が見つけ一命を取り止めた。父想いの若狭はピントオを訪ねた。ピントオは若狭の熱意にほだされて、護身用の鉄砲を貸し与え、金兵衛の怪我の手術までした。若狭はこの南蛮人の優しい思いやりに感動し、二人の心は急速に近づいていった。