MISS WORLD

昨年9月「SONIC DEAD KIDS」を引き下げ彗星の如くデビューしたジャパニーズ・オルタナの雄、ART-SCHOOL。その後も、限定カセット「ガラスの墓標」(完売)、4月に名盤「MEAN STREET」をリリース。まるで湧き出る感情を全く止めることができないかのようにリリースを続ける彼らがまたもやニューアイテムをリリース。しかし、ART-SCHOOLにとって初マキシシングル「MISS WORLD」は前作をさらに上回るパワーを持った作品に仕上がった。NIRVANA、WEEZER、PAVEMENTらに音楽性だけでなく精神的にも影響を受ける彼ら、1stアルバム時の内省的な印象は徐々に影を潜め(その感じも素晴らしいが!)よりポップに力強くなったバンドの姿がここにある。デビューからの短時間でバンドの結束を深め、瞬く間に多くのリスナーの支持を受けたことが彼らに強い自信を与えた。しかし、じっくりとこのシングルの楽曲(カップリング曲も含めて)を聞き込めば実はART-SCHOOLが本当はなにも変わっていないこともわかる。VO.木下はMCで言った。「世の中は糞で、大人は最悪だ。僕はいつも死ぬことばかり考えている。でも、カートコバーンが僕に教えてくれたように、みんなにも生きるほんの少しの希望を感じてもらうために、音楽をやります。」ART-SCHOOLは一貫して孤独と絶望の中で希望を探そうとしている。彼らはそのメッセージをよりハッキリと、沢山の孤独のなかで生きる人々に語りかけるため、よりポップでクールなスタイルに変貌しつつあるのかもしれない。カセット「ガラスの墓標」で初のオリコンインディーズチャートベスト8入りを果たし、アルバム「MEAN STREET」ではBAY-FMのパワープレイを獲得するなど一挙にインディーズシーンの中央に舞い降りたART-SCHOOL。今度は、このマキシシングル「MISS WORLD」でそのシーンの枠を大きく飛び越えていくことだろう。