ネモトラボルタ2 ~EASY LIFE~

30歳中頃に来て名盤完成!!4年振りとなるフルアルバムとしては、どこをとっても骨太で痛快な21世紀型ロックンロール!1997年にデビューし、先鋭的なセンスと時代のグルーブを食いつくし、音楽マニアと流行に敏感な若者から絶大な支持を得たバンド、cool drive makers。その才能が故かアルバムごとに多様にスタイルを変化させ、バンドの本質が見え辛かった印象も否めない。そのcool drive makers の活動休止から7 年。ソングライターかつフロントマンだったネモがようやく覚醒した。ネモトラボルタのオリジナルメンバーであり、参謀役のギタリスト兼共同ソングライターのニコラス・ケイ、当初はサポートの立場からメンバーに正式加入したハルー・ポッタの力も加わり、一番の得意分野であるブルースを基盤とした黒いグルーブに焦点を絞り、「オレたちはこれしかできません!」と言わんばかりの開き直り具合は、ロックンロールとは一個人の叫びが世界に伝染していくものだと再認識させる。まずいきなりニコラス・ケイの豪快なギターリフから始まり、ハルー・ポッタのうねるベースがユニゾンしてくる王道感満載の「逆走ロック」。肩で風を切って歩くわけでもなく、バイクで海岸を飛ばすわけでもないが、個人的なふしだらな企みをイナセに歌う、これぞワルなロックンロール。人生を学校生活に例えて、自分らしさを大切にしようと訴える「SCHOOL」。アメリカンで開放的なリフでグイグイ突き進みながらも、エロ野郎の小市民的内面を高らかに歌い上げる「ENTAI」。チャックベリーからのロックの歴史を一曲に詰め込んでみたようなコロコロ変わる展開が痛快なアルバムタイトル曲「EASY LIFE」など、あっと言う間の全12 曲。また今作は、全曲ドラマーとして航(from PE'Z) が参加。PE' Z の前作 OH! YEAH! PARTY!!はNEMO がプロデュースしている事から、恩返しした形になっている。よりパワフルに、よりアグレッシブに、よりグル-ヴィーさが増している。上から目線の応援ソングにまみれた現代のポップミュージック界。そんな中、30 代の男のダメさも本音も包み隠さず、天性のしなやかなグルーブに乗せて歌い上げる。そんな生き様に共感し、救われる人も少なくないはずだ。生きろ。テキトーに!!繊細に!!八方ふさがりの現代社会に風穴開け