:46

東日本大震災を支援していたメンバーの森田が、被災された方々の体験を、ドキュメントとして曲にしたものが中心になっている。例えば、陸前高田のとある消防団長の苦闘の記録、被災地から希望の灯りを求めて飛びたつイメージソング、「フクシマ」へのオマージュといった曲が並んでいる。阪神淡路・東日本大震災を結ぶ偶然は、発生時刻5:46、14:46。また、9.11の発生時刻は奇妙にも8:46である。これを、何らかの意味が込められた啓示ととらえ、「:46」をアルバムタイトルとした。 本来は5曲入りミニアルバムであるが、2003年に、阪神淡路をイメージした組曲として発表された、Promised land1～4、を再録音し、この4曲をボーナストラックとして収録した。Quaserとしては6枚目のCDアルバムとなる。Quaserの音楽は、ジャンルでいえば、「切れ味のある重厚シンフォニック・ロック」であるが、ギターがメタルテイストを発揮しており、プログメタルともいえる音像となっている。しかし、このアルバムの本当の聴き所は、歌詞である。Bravesは大災害に立ち向かう勇敢な人々のドキュメンタリー、Born in chaosは、新自由主義、叩き合い、足の引っ張り合いが横行する現代社会の中で、怒りや憎しみを代弁する政治家がカオスの中から誕生する様を描いている。<プロフィール>1970年代より活動するベテランのプログレッシブ・ロック・バンド。初期メンバーには、松浦義和(ex.プリズム)、是永巧一(ex.レベッカ)が在籍。1994年、神戸にて再結成。70年代欧米のプログレをベースに、時代に応じたロック手法を取り入れながら、独自の世界感を提供し続けている。ポリフォニックな和声アレンジによるキャッチーなメロディ、疾走するメタリックギター、重厚なリズムセクションが特徴であり、「繊細にして豪快なサウンド」と評される。●メンバー : 森田拓也(K,Vo)、形山和夫(Ds)、勝浦雅巳(G)、藤井博章(B)●発表作 : 1994「Out from Quaser」、1999「REMERGENCE」、2003「Phase Transition」、2011「DELTA FLUX」「Essence」