ノンフィクション

味可の約2年半ぶりとなる7曲入りのmini album。これぞ味可の世界観という、人間の弱さや醜さをメインに描いた一枚となっている。しかし、ただネガティブな部分を切り取っただけではなく、その裏にある美しさや強さもしっかりと描いている。今作ではバンドサウンドに加え、アコースティックバンド編成での楽曲、またピアノ弾き語りの楽曲もあり、様々な楽曲の色を堪能することが出来る。ライブで人気の高かった「バニラスカイ」や「黒い雨」を今回初収録。また社会問題をモチーフに歌った「深夜3時、SNS」は聴く人に強烈なインパクトを残すことだろう。最後に収録されている「小さな右手」は、この問題の多い現代社会でも光を見いだせる楽曲となっていて、味可の新しい一面を感じ取ることが出来る。また、1st mini albumでのリード曲であった「雨が降る」を、今回はアコースティックバンド編成で再録。前作との違いも聴き比べて欲しい。味可の楽曲には一曲一曲に物語があるが、今作では全曲通して聴いた後にも大きな物語を感じることが出来る一枚となっている。<プロフィール>「絶望の向こう側へ」をキャッチフレーズにする女性シンガーソングライター。ミュージカルを中心に子役として活躍。その後、武蔵野音楽大学声楽科に進学。在学中よりシンガーソングライターとして、活動を始める。2016年には台湾でのライブも成功させている。ピアノロックバンド金仙花を経て、2017年1st mini album「雨が降る」を全国リリース。その後、全国各地でライブを行っている。また近年では朗読劇の音楽監督を務めたり、他アーティストの作品でのピアノ演奏・歌唱など、活動の幅を広げている。人間の醜さや弱さを描き出すその世界観と、繊細なピアノ、切なさと力強さのある歌声に定評がある。