SUSSURANDO

ボッサの心地よさ、フラメンコの躍動感、ジプシー音楽のノスタルジックな叙情性が、透明感溢れるウィスパーボイスで紡がれていく、彼女ならではの音世界・・・キャシー・クラーレの最新作は全てのワールドミュージックファンにお薦めできる傑作!ジプシーの一族に生まれ、その音楽に囲まれて育った少女は、自然にミュージシャンへの道を志す。そして、クレプスキュールの看板アーティストとしてフレンチ・ロリータ路線で大ブレイクしたのももう10年以上も前。その後、そうした扱われ方への反動からしばらくアーティスト活動から遠ざかっていたが、2001年セルフプロデュースによるフルアルバム「La Chika Del Viento (邦題:Esperanza) 」をリリース。アイドル時代の自分を捨て、自らのルーツを見つめ直し、ジプシー/フラメンコの要素を色濃く写し出したサウンドに、変わらないウィスパーボイスというスタイルは、往年のファン達に歓迎されると共に新しいファン層を獲得するにいたった。今作は復帰後2作目となり、前作の路線をより追求しつつも、より洗練された良質なプロダクションとなっている。フラメンコ、シブシー音楽をその基礎としながらも、ボッサのリズム、ハーモニーを積極的に取り入れたアレンジ。しかしそこに乗る歌声は情熱を秘めつつも変わらぬウィスパーボイス・・・彼女にしか表現し得ないアンビバレントな音世界は、偏見をすてて全てのワールドミュージックファンに聞いてほしい一枚。ちなみにタイトルの"Sussurando"とは「囁き」の意味。