上善若水

謝明諺 (シェ・ミンイェン)は、2017年台湾で開催された第29回ユニバーシアードの閉会セレモニーで、台湾伝統音楽と西洋音楽を融合した壮大な組曲を演奏する大役をはたすなど、台湾のジャズ界を代表するサックス奏者である。本作は、台湾ジャズ界でも名実ともにナンバーワンの謝明諺が、かねてから共演を重ねてきた、フリージャズ界の重鎮、豊住芳三郎と、フリーピアニストの李世揚 (リー・シーヤン)と2017年に"台湾国際即興音楽フェスティバル"ツアーの合間に、録音したスタジオアルバムである。研ぎ澄まされた即興の感覚を持ち合わせた3人が、3時間にわたって繰りひろげたインプロを50分間セレクトして作られた、謝明諺としてのセカンドアルバム。ヨーロッパの影響を感じさせるファーストアルバム『Firry Path』から、大いに飛翔した「上善若水」。水のように純粋で透き通って、常に形を変え続けながら、シンプルに即興の美しさと生々しさをそのまま封じ込めた、最新作。