四谷怪談

呪いが呼ぶ! 執念が誘う! 真夜の大江戸に相次ぐ血の惨劇! 隠亡堀に呪いの鬼火! ――お岩に想いを寄せる伊右衛門は、お岩の父・藤井左門に不義の子と罵られた。怒りに駆られた伊右衛門は左門を斬り殺し、お岩を連れて江戸へ逃げる。浪々の生活に喘ぎながら暮す伊右衛門の前に、左門斬殺の場にいた直助が現れて金を強請り始める。伊右衛門の母・お槙は、大店・伊藤喜兵衛の一人娘・お梅が伊右衛門を想っていることを知って婿養子にと企む。一度は拒絶した伊右街門だったが、困窮する生活と直助から強請られていることで遂には承知する。按摩の宅悦を抱き込み、お岩に間男をさせて不義密通をでっち上げようとする。さらには妙薬と称してお岩に毒を盛るのだった。その毒で醜く変貌したお岩を見た宅悦は、恐怖の余りに伊右衛門たちの奸計を白状してしまう。伊右衛門を呪いながらお岩は絶命。そして伊右衛門は宅悦を始末し、お岩とともに戸板へ釘打ちして大川に投げ込む。やがて行われる伊右衛門とお梅の婚礼。その初夜は身の毛もよだつ惨劇となる。