黄線地帯 イエローライン

欲望のカスバに巣喰う秘密組織! 人殺しの迷路に野良犬の罠! 無法地帯に躍りこんだ第三の殺し屋! 石井輝男がイメージした"国際都市"の中で、ニヒルでストイック殺し屋、キッチュなファッションの踊り子、熱血漢の新聞記者が織りなすピカレスク・アクション。 ――阿川という男からの依頼で、東京へ出張中の神戸税関長を殺害した殺し屋・衆木。ところがその報酬は警察への密告だった。衆木は厳しい警戒網から脱出するため、ルミという踊り子を東京駅で拉致してアベックを装う。ルミは芸能事務所の踊子募集に応じるため神戸へ向かう途中で、恋人で新聞記者の真山にその連絡をしていたところを拉致されてしまったのだ。衆木は報復のために神戸のカスバ街へ。ルミを薄汚れたホテルに監禁して阿川の根城を探るために麻薬患者の巣窟へ侵入する。一方、ルミの言う芸能事務所が国際売春組織"黄線地帯"と関係がある事を掴んでいた真山も、彼女を追って神戸へ向かった。そして彼は、ある百円札を手にする。それはルミが衆木の隙を狙って救出を求めるメッセージを書いた百円札だった。人手を転々としながら、偶然にも真山の手に渡ったのだ。径路を追跡して次々と怪しげな人物達と接触した真山は、事件の鍵となる外人相手の秘密クラブ"セブンローゼス"の情報を得る。そして衆木も麻薬ルートからセブンローゼス"に辿り着くのだった。