マウジャ ～ 波

21世紀以降、世界に向けて広く発信されるようになったジャンルのひとつが、アフリカ・サハラ砂漠周辺のポピュラー・ミュージック。そのキッカケとなったのは、"砂漠のブルースの雄"ティナリウェンだったことは間違いないが、一方でそんな砂漠のブルースとは異なる系譜で語るべき音楽も次々と紹介されてきた。その中でも特に注目を集めてきたのが、モロッコ、アルジェリア、モーリタニアに接している国"西サハラ"出身の女性歌手、アシサ・ブライム。コロナ禍を経て約4年ぶりのリリースとなった新作が本作。タイトルの"Mawja"とはアラビア語で「波」を意味し、本作においては様々な音楽的な波、感情の波、そして歴史の波などを指しているそう。そのアシサの音楽的な旅と個人的な経験、特に西サハラからの追放、難民キャンプでの成長、異なる地域での生活などがこのアルバムの中で反映されている。