よみがえるブルース/トゥー・レイト・ブルース ジョン・カサヴェテス 2Kレストア

近年再注目される名匠ジョン・カサヴェテス監督の幻の一作。絶賛された処女作『アメリカの影』 (59)に次いでハリウッドメジャースタジオで製作された音楽青春映画。当時興隆期にあった「ヌーヴェルヴァーグ」や「ブリティッシュ・ニューヴェイブ」に対抗すべく、スタジオはビート・ジェネレーションに向けた作品として新進気鋭の映画作家だったカサヴェテスを起用。生々しくリアリティあふれる筆致で、若者の苦悩と挫折を描き出す。主人公のジャズミュージシャンを演じるのは、「ビヨンド・ザ・シー」等のヒット曲で知られる歌手で俳優のボビー・ダーリン。劇中では自ら演奏をこなし、臨場感あふれるライブシーンを披露する。特集でもほとんど上映され機会がなかった幻の傑作。待望の国内初ソフトリリース。――若きミュージシャンのゴーストが率いるジャズバンドは才能を認められながらも全く売れず、安い報酬の仕事を甘んじて受け入れている。ある日、ゴーストはパーティーで駆け出しの歌手ジェスと出会う。二人は自身の境遇もあって打ち解け合い、恋に落ちる。ゴーストはジェスをリードボーカルとしてバンドに迎え入れる。しかし、次第に2人の関係の縺れから、メンバー仲に亀裂が生じ始めてしまう・・・。解説ブックレット封入 (寄稿: 堅田諒/映画研究者)。