絞殺

実際に起きた"開成高校生事件"をベースに、巨匠・新藤兼人が閉鎖された世界における人間関係の崩壊を描いた問題作。十七歳の少年が父に向かって「きたない」と罵り、憑ものがのりうつったように暴力をふるいはじめた。青年は成績優秀で、大学入試の準備をしている最中に突然変異をみせた。生命の危機にさらされた父は、妻と相談して、少年を絞殺した――。新藤監督は生命の根源としての性の上に立って人間関係をさぐり、現実社会を象徴するかのような問題に鋭いアプローチを試みる。監督は、エリート教育には友情や連帯は生まれない、人間喪失、対話のない日常が暴力になり、親は暴れる子を理解できずに絞め殺す、しかしいったん破壊された家庭で絞殺しても問題は解決しないという。HDテレシネ最新デジタルニューマスター。

オリジナル劇場予告編