マッド・ドッグ・モーガン

やつらは彼を追い詰め、飢えさせ、投獄し、鞭打ち、烙印を押し、殴り、銃で撃ったが、彼を屈服させることはできなかった―。『ラストエンペラー』のジェレミー・トーマス初プロデュース、ハリウッドを干されていたデニス・ホッパー主演、フィリップ・モーラ監督による、日本劇場未公開の幻の一作、突如初ディスク化! マーガレット・カーネギーが12年間におよぶ調査の末に発表した「Morgan: The Bold Bushranger」の映画化。1850年代オーストラリアで、生死を問わず指名手配されていたアイルランドの無法者ダニエル・モーガンの実話を描く。後に『戦場のメリークリスマス』 (83)、『ラストエンペラー』 (87)、『シェルタリング・スカイ』 (90)、『裸のランチ』 (91)、『裸足の1500マイル』 (02)などのヒット作、重要作を手掛ける大プロデューサー、ジェレミー・トーマスの初プロデュース作品。ロンドンでルームメイトだったエリック・クラプトンプロデュースの『Trouble in Molopolis』 (70)で長編デビューを果たしたフィリップ・モーラ監督とジェレミー・トーマスはキャスティングのために米国ニューメキシコ州タオスへ飛び、空港で全身デニムでライフルを持って出迎えたデニス・ホッパーを見た瞬間に主演に決めた。デニス・ホッパーは自身の監督作『ラストムービー』 (71)のカオスともいえる惨劇でハリウッドを干されているときだった。共演に『荒野の千鳥足』 (71)のジャック・トンプソン、『美しき冒険旅行』 (71)のデヴィッド・ガルピリル、『マッドマックス/サンダードーム』 (85)のフランク・スリング、『スカイ・ハイ』 (75)のビル・ハンターなど、強力なオーストラリア映画人たちが脇を固める。ジェレミー・トーマスは初めての経験だったゆえか、作品がどうやって完成したのか覚えていないと語っている。――1850年代のオーストラリア。ダニエル・モーガンは、イギリス諸島 (彼はアイルランド出身)から来た他の何百人もの移民たちと同様に、財産を築こうとやって来た。ゴールドラッシュが勃発、モーガンは一攫千金を夢見ていた。だがモーガンはすぐに法の網の目から外れ、金欠で絶望的な状況に陥る。たった一度の軽い強盗で12年間の重労働を強いられ、獄中では組織的な虐待を受けたモーガンは釈放後、自分を不当に扱った者たちへの復讐を誓う。