ザデラツキー: 24の前奏曲とフーガ

1891年に生まれ、1953年にこの世を去った作曲家ザデラツキー。ロシア革命とスターリンの抑圧に苛まれ、何度も投獄されるなど過酷な生涯を送ったことで知られている。モスクワ音楽院で作曲をタネーエフとイッポリト・イワノフに学び、またモスクワ大学法学部で法律を学ぶなど優秀な教育を受けたが、第一次世界大戦中は軍事行動に参加、1920年に逮捕されてしまう。あらゆる権利を剥奪され、その後も何度か逮捕、投獄され、1926年の逮捕の際には、彼の作品は全て破棄されてしまう (現在残っているのは、1928年以降の作品)。しかし、獄中で紙と鉛筆を与えられた彼は、6つのピアノ・ソナタをはじめ、交響曲、オペラ、交響曲などかなりの作品を作曲。このアルバムに収録されている「24の前奏曲とフーガ」もこの時期1934年の作品だが、ショスタコーヴィチよりも前に、バッハの伝統を受け継ぐ大作が作曲されていたことはほとんど知られていない。このアルバムでは6人の若手ピアニストが4曲ずつ分担して演奏、作品の真価を知らしめている。