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商品説明
1855年にスコットランドで生まれたウィリアム・シャープは、本名で男性作家・批評家として活動する一方、女性名であるフィオナ・マクラウドを名乗り、ケルトを題材とした創作や随筆を発表した。二つの性を用い方向性の異なる多彩な作品を生みだし、実生活においても女性名を使用した、特異な作家シャープ=マクラウドの魅力とその試みに迫る。
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収録内容
1 | 第1章 自己の二重性に対する意識と変身願望-『明日の子供たち』、『男とその妻』(文壇への挑戦 |
2 | 『明日の子供たち』での社会批判 |
3 | ユダヤ表象にみられる恣意性 |
4 | 女性の神秘化の萌芽 |
5 | 『男とその妻』と「新しい女」 |
6 | 自己の流動性 |
7 | 慣習社会への回帰) |
8 | 第2章 第二のペルソナの構築-『楽園』(マクラウドの誕生の背景 |
9 | 近代の言説としてのケルト |
10 | 第二のペルソナの構築 |
11 | 『楽園』における異界への航海 |
12 | 楽園の創出 |
13 | 「ケルト」世界とマクラウドの類似性) |
14 | 第3章 女性を他者として見る視線-「ジプシーのキリスト」、『山の恋人たち』(自己の女性性の構築 |
15 | 男性の破滅を招く魅惑的女性 |
16 | 「ジプシーのキリスト」における魅力と脅威を併せ持つ女性 |
17 | 女性の台頭に対する男性の集団的な不安と怒り |
18 | 男性のアイデンティティを揺るがす女性 |
19 | 『山の恋人たち』における交錯しない男女の眼差し |
20 | 外側から描写される女性と内側から描き出される男性 |
21 | 他者としての女性) |
22 | 第4章 統合と分裂の間での揺らぎ-『緑の火』(二重生活の行き詰まり |
23 | 『緑の火』での二項対立の融解 |
24 | 分身との統合 |
25 | 作品の分裂 |
26 | 分裂する女性 |
27 | 「アマゾンの女王」と「女性の救い主」) |