商品説明
【CD枚数・収録時間】 CD 10枚 約565分
「彼は門を通る人ではなかった。また門を通らないで
済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に
立ちすくんで日の暮れるのを待つべき不幸な人であった」
『門』は明治43年(1910年)に発表された夏目漱石の長編小説であり、
『三四郎』『それから』に続く前期三部作の締めくくりとなる作品である。
『それから』のその後の展開であり、社会の片隅でひっそりと
暮らす過去に傷を持つ夫婦の苦悩、悲哀がテーマとして描かれている。
平穏な日常を仲睦まじく淡々と重ねる夫婦の生活と、その奥に
秘められた暗い過去の罪悪感と不安の日々。親友であった安井を
裏切って、彼の内縁の妻であった御米を奪い結婚した宗助。
「山の中にいる心を抱いて、都会に住んでいた」とあるように、
彼らはその罪悪感ゆえ、社会から切り離された二人だけの世界に
こもり続けていた。しかしある時、思いがけず知ることになった
かつての親友、安井の消息に宗助の心は激しく乱れてしまう。
恐怖、そして蘇ってくる重い罪の心。悩み苦しむ宗助は、心の動揺や
不安から逃れたい一心で、妻の御米に内緒で禅寺の「門」をくぐる。
しかしそこには解答も救済もなかった…。
過去の罪から逃れる術はあるのか? 救いはあるのか?
希望も絶望もない、どうにもならない…。
それでも生きていかねばならない、生きていくことの痛みとは…?
静かに心に染みる味わい深い夏目漱石の名作です。
[発行元: でじじ/パンローリング株式会社]
「彼は門を通る人ではなかった。また門を通らないで
済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に
立ちすくんで日の暮れるのを待つべき不幸な人であった」
『門』は明治43年(1910年)に発表された夏目漱石の長編小説であり、
『三四郎』『それから』に続く前期三部作の締めくくりとなる作品である。
『それから』のその後の展開であり、社会の片隅でひっそりと
暮らす過去に傷を持つ夫婦の苦悩、悲哀がテーマとして描かれている。
平穏な日常を仲睦まじく淡々と重ねる夫婦の生活と、その奥に
秘められた暗い過去の罪悪感と不安の日々。親友であった安井を
裏切って、彼の内縁の妻であった御米を奪い結婚した宗助。
「山の中にいる心を抱いて、都会に住んでいた」とあるように、
彼らはその罪悪感ゆえ、社会から切り離された二人だけの世界に
こもり続けていた。しかしある時、思いがけず知ることになった
かつての親友、安井の消息に宗助の心は激しく乱れてしまう。
恐怖、そして蘇ってくる重い罪の心。悩み苦しむ宗助は、心の動揺や
不安から逃れたい一心で、妻の御米に内緒で禅寺の「門」をくぐる。
しかしそこには解答も救済もなかった…。
過去の罪から逃れる術はあるのか? 救いはあるのか?
希望も絶望もない、どうにもならない…。
それでも生きていかねばならない、生きていくことの痛みとは…?
静かに心に染みる味わい深い夏目漱石の名作です。
[発行元: でじじ/パンローリング株式会社]