本の雑誌 2012-9

純文学は難しくて、時にわからないこともあるが、文芸誌のたたずまいは好きだ! えばっているわけではないのに凜としている。少数であっても深く愛している人がいる。では、文芸誌とは何なのか!? というわけで、本の雑誌9月号の特集は「文芸誌とは何か、愛である」。「新潮」矢野優編集長に文芸誌の秘密を聞く神楽坂突撃インタビューから、文芸各誌への公開質問状、芥川賞をとるには何月号に掲載されるのがいいのかなどを追求するわくわく文芸誌調査、坪内祐三の文芸誌を読め宣言、さらに注目すべきコラムにアイラヴ文芸誌告白、文芸誌読書会潜入ルポに、表紙ギャラリー、そしてこんな文芸誌なら読むぞ、の読者アンケートまで、文芸誌一色の24ページ! さあ、あなたも文芸誌への愛を叫ぼう!

新刊めったくたガイドは、杉江松恋がマロリー・シリーズ第六弾『吊るされた女』に大満足!なら、佐久間文子はカイロ&ロシアの超弩級三部作マラソンにチャレンジ! 大森望がパワフルで先鋭的な神林長平の本気を見よ!と気勢を上げれば、酒井貞道は「思い込み」を打ち砕く爽やかな短篇集をイチオシ。榎本文昌が柴崎友香の最新最高傑作『わたしがいなかった街で』を今年のベスト!とぶち上げれば、内田剛は新書四冊で真夏のお江戸をてくてく散歩。そして北上次郎は高一の夏の恋に胸がキュンキュン! 何なんだこれは、と混乱しながらおじさんが胸キュンした本はなにか。46ページを見てくれぃ!

今月はイラストレーターべつやくれいが初登場! 美しいイカドンのイラストとともに、妙な味わいの『アジアの昔話』を紹介するぞ。そして読み物作家ガイドは霜月蒼が馳星周に肉薄。和製ノワールの旗手の読まなきゃならない10冊を厳選するのだ。さらにおじさん三人組は秋葉原のメイドカフェ「シャッツキステ」で池澤春菜と合流。ツンデレメイドのレイラさんにキャンドル潤の鼻の下も伸びきって、AKBも48人(?)。「神保町お買い物日記」で『座るだけ! 骨盤クッションダイエット』を買った(ま)とは誰だ?と気温も急上昇。うちわ片手に本を読もう!の本の雑誌9月号で、さあ、エコな夏を過ごそう!