商品説明
「ソ連」で若き日の32年間を、「アメリカ」で壮年の23年間を過ごし、55歳でその生涯を閉じたノーベル賞詩人ブロツキイ。東西陣営の両端から現代社会をアイロニカルに観察するという稀有な経験こそが、戦後の文化的廃墟から出発した彼を、まさに世界的な大詩人へと押し上げることになる。ブロツキイの遺したテクストを、その重要なキー概念ごとに読み解く。
関連記事
収録内容
1 | 第1章 アフマートワを継承して―ブロツキイの「ディードとアエネーアス」における古典性 |
2 | 第2章 ブロツキイの“帝国”論―詩「ANNO DOMINI」における父性原理を中心に |
3 | 第3章 眩惑するアメリカ―ブロツキイの移住から同化まで |
4 | 第4章 「ローマ・エレジー」論 |
5 | 第5章 ブロツキイによる「ローマ・エレジー」の自己翻訳について |
6 | 第6章 「ウラニアへ」論―W.H.オーデンとの比較から |
7 | 補章 ヨシフ・ブロツキイのユダヤ性 |