ヤンとシメの物語 新装版

ネコのヤンと友人の鳥のシメ君。かなり歳をとったクマのおじいさん。いつも元気なニワトリと、いつも痩せた牛。何を言っているのかわからないニコライ・ロマノフことクロライチョウ。そして物語の節目に突如として現れる行商のミヤマガラス。深い樅の森や楚々とした白樺の林、木犀草の匂う池の水辺で、いつのまにか彼らと同じ眼差しを注ぎ、彼らのアンサンブルとともに、ボクらの意識は深い青を湛えた空に連れ去られる。