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商品説明
江戸時代の百姓たちにとって、川や池からの農業用水の確保は死活問題であった。近隣の村々は用水組合を結成して円滑に取水するためのルールをつくるが、水不足の際には、用水を過分に奪う村が現れ、他村との激しい対立を生み、領主や幕府のもとでの訴訟闘争に発展した。本書では、江戸時代の優れた用水・治水の知恵や水争いのパターンを網羅的に押さえつつ、現在の大阪府域の村々の300年にわたる水争いの歴史を一次史料から詳細かつ分かりやすく読み解く。中世から江戸期、そして江戸期から明治時代にかけて、水争いの様相はどう変化したか。水資源を奪い合う百姓たちの切実さと、紛争解決への努力の足跡が明らかになる。
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収録内容
1 | 第1部 水とともに生きる百姓たち―江戸時代の治水・用水の知恵から、水争いの実態まで(田を洪水から守る知恵 |
2 | 用水路の知恵と、協力し合う村々 |
3 | 用水組織の実態と水をめぐる争い |
4 | 村々は「川」をいかに活用したか?) |
5 | 第2部 ケーススタディ 河内国での水資源戦争300年を追う―江戸初期から明治まで(江戸前期(17世紀)の水争い―近世の用水秩序の成立 |
6 | 江戸中期(18世紀)の水争い―王水樋組合村々の団結と対立 |
7 | 江戸後期(19世紀)の水争い―水利慣行の継承と変容 |
8 | 用水組合の村の中に入ってみる―村の社会構造をさぐる |
9 | 水から見た明治維新―近代がもたらしたもの) |