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商品説明
大塚久雄と丸山眞男は、国民を「自由な主体」として「動員」しようとする志向を、戦中から一貫して保持しつづけた。この「動員の思想」は、現在の「市民ボランティア」運動にも流れ込んでいる―「戦後啓蒙」を担った二人の思想と営為を、戦中の初出雑誌まで遡りながら読み直し、戦後日本思想史の常識を塗りかえる。
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収録内容
1 | 第1章 最高度自発性の生産力―大塚久雄におけるヴェーバー研究の意味(見失われた三つの疑問 |
2 | 神とマモン―自己中心的近代人への批判 |
3 | 戦時動員と生産倫理 |
4 | 戦後生産力としての人間類型 |
5 | 近代批判の二つの道―主体化という問題) |
6 | 第2章 主体性への動員/啓蒙という作為―丸山眞男の政治思想史研究における戦中と戦後(丸山眞男というテクストとコンテクスト |
7 | 総力戦という危機状況と丸山眞男の出立 |
8 | 「日本政治思想史研究」の作為 |
9 | 徂徠論の転位と戦後啓蒙の問題構成 |
10 | 福沢論の変容と戦後啓蒙の自己背反 |
11 | 「日本」、「大衆」、「主体」への強迫―自己同一的な主体という罠) |
12 | 第3章 ボランティアとアイデンティティ―普遍主義と自発性という誘惑(最高度自発性とボランティアの動員 |
13 | 動員の思想としての普遍主義 |
14 | 「ボランティアという生き方」の意味 |
15 | 強要されるアイデンティティの再政治化―「ボランティア」と「新しい社会運動」 |
16 | 自己同一的な主体を越えて―「日本人としての責任」を考える) |