商品説明
自ら従軍記者を志願してまで、あの「戦争の時」に深く食い入り、かつて、ドストエフスキーが触知せざるを得なかった「時代」への苦悶に、まざまざと感応した小林秀雄―。中原中也、保田與重郎、武田泰淳、等々の周到な「補助線」を引きながら、文学の徒として「書く」ことの切実な「実存」を精緻に析出させてゆく長編論考。
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収録内容
1 | 序章 回帰する一八七〇年代―「「悪霊」について」 |
2 | 第1章 一九三八年の戦後―「杭州」と「蘇州」 |
3 | 第2章 日本帝国のリミット―「満洲の印象」 |
4 | 第3章 世界最終戦争と「魂の問題」―「「カラマアゾフの兄弟」」 |
5 | 第4章 「終戦」の空白―『絶対平和論』と「マチウ書試論」 |
6 | 第5章 戦後日本からの流刑―「「罪と罰」について」 |
7 | 第6章 復員者との対話―『野火』と『武蔵野夫人』 |
8 | 終章 戦後日本への復員―「「白痴」について」 |
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