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商品説明
その時、夫は妻を抱きしめるしかなかった―歌人永田和宏の妻であり、戦後を代表する女流歌人・河野裕子が、突然、乳がんの宣告を受けた。闘病生活を家族で支え合い、恢復に向いつつも、妻は過剰な服薬のため精神的に不安定になってゆく。凄絶な日々に懊悩し葛藤する夫。そして、がんの再発...。発病から最期の日まで、限りある命と向き合いながら歌を詠み続けた夫婦の愛の物語。第29回講談社エッセイ賞受賞。
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収録内容
1 | 私はここよ吊り橋ぢやない |
2 | ああ寒いわたしの左側に居てほしい |
3 | 茶を飲ませ別れ来しことわれを救える |
4 | 助手席にいるのはいつも君だった |
5 | 夫ならば庇つて欲しかつた医学書閉ぢて |
6 | 私は妻だつたのよ触れられもせず |
7 | あの時の壊れたわたしを抱きしめて |
8 | 東京に娘が生きてゐることの |
9 | いよいよ来ましたかと |
10 | 一日が過ぎれば一日減つてゆく |
11 | 歌は遺り歌に私は泣くだらう |
12 | つひにはあなたひとりを数ふ |