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商品説明
2008年から2009年かけて未曽有のインフレーションに陥った南部アフリカの内陸国ジンバブエで、著者はフィールドワークを敢行した。本書は現代経済学において「経済の解体」とされるような危機的状況に直面した人びとの反応と選択を、生活者の視点で記述し分析するものである。経済人類学では、すでに欧米近代の一元的な貨幣論が批判的に検討されてきたが、本書は、まさに一元的貨幣が相対化され、多元的な貨幣状況が立ち現われた現場をとらえている。非常に貴重かつユニークなエスノグラフィーであり、一元的貨幣論に縛られた経済学への反論でもある。
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収録内容
1 | 序章 ハイパー・インフレーションの人類学的研究 |
2 | 第1章 ジンバブエ「危機」―歴史背景と経済状況 |
3 | 第2章 首都ハラレ―調査地とインフォーマント |
4 | 第3章 現金 |
5 | 第4章 預金 |
6 | 第5章 外貨 |
7 | 第6章 小額紙幣と高額紙幣 |
8 | 結章 「意味」の危機 |
9 | おわりに―複数通貨制へ |